(1997年3月 在中国大使館)
援助形態 | 有償資金協力 |
協力年度 | 1988年度、1989年度 |
協力金額 | 80.50億円、45.30億円 |
相手国実施機関 | 建設部 |
協力の内容 | 南京、成都、徐州、鄭州の4都市の水不足の緩和を図るため、円借款により、各々1日当たり60万トン、40万トン、20万トン、50万トンの給水能力を持つ浄水場を建設する。 |
〈評価要旨〉
1. 案件の維持・管理状況
現地調査の対象とした徐州の浄水場については、徐州市城市建設管理局の監督の下、徐州市自来水公司が運営を担当している。良好な維持・管理が行われており、浄水場は正常に稼働していた。
2. 案件の選定・形成の適正度
徐州市は、1980年の時点において最も水不足が深刻な都市の一つであったが、中国の改革・開放政策による都市発展及び生活水準の向上により、水に対する需要は拡大する一方であったので、案件の選定は適正であったと言える。また、徐州市は、江蘇省の他の長江沿いの大都市と比べて経済発展が遅れている地域であるので、生活水準の格差を是正するとの観点からも意義のあるものであった。
3. 当初目的の達成度及び効果
新たに浄水場を建設したことにより、徐州市における給水能力が1日当たり45万トンとなっため、約84万人の市民の需要を賄うことが可能となり、水不足が基本的に解消された。また、徐州市は、江蘇省においても内陸部に位置し、長江沿いの大都市に比べて発展のレヴェルが遅れていたことから、水不足の解消により、生活水準の格差を是正する効果もあったと言える。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
市内の公園などにおける水の使用料も増大しており、都市の衛生状況、生活環境が改善されてきている。
5. 今後必要とされるフォローアップないしはアフターケア
特になし。