広報・資料 報告書・資料

前のページへ / 次のページへ

ベトナム カントー大学農学部改善計画 

(1994年3月、在ベトナム大使館)


<プロジェクト概要>

援助形態  有償資金協力
協力年度  1993年度、1994年度、1995年度
協力金額  7.88億円、2.35億円、12.83億円
相手国実施機関  教育訓練省カントー大学
協力の内容 メコンデルタの農業開発における中核的機関として位置づけられるカントー大学農学部の施設及び機材を改善し、その教育環境を整備することにより、農業分野の実践的技術者の育成、市場原理に基づく実際的な科学的教育を実施する。
(施設建設)管理棟、共通講義棟、実験棟3棟
(機材供与)共用機材、農学科用機材、畜産獣医学科用機材、食品加工学科用機材


<評価概要>

(1) 案件の維持・管理状況

 施設建設完了、機材供与から1年を経ていないため全体として良好な状態。

 また、実際に利用され始めているが、使用上、特に大きな不都合も見られない。カントー大学は、メコンの中心という地の利を活かし、メコン地域の農業研究機関としての役割を担うべく、教育環境改善、諸外国からの技術移転にも積極的。この発展を支える施設・機材として利用されていくと予想。また、既存の相当に老朽化した機材も修理を重ねつつ使われており、今回供与した機材も良好に維持管理され、利用されることを期待。

(2) 案件の選定・形成の適性度

 メコン地域は、アジアひいては世界の食糧基地として、その農業発展が強く期待されている地域であり、特に近年、この地域の開発が非常にクローズアップされてきている。メコンデルタの中心都市カントー市に位置するカントー大学農学部の発展に寄与する本件協力は、メコン地域の農業研究の中核施設としての役割が期待でき、そのプロジェクト選定・形成において非常に当を得たものであると思料。

(3) 当初目的の達成度及び効果

 施設完成、機材供与から1年を経過していないため、効果のほどは明らかでないが、共用講義棟、実験棟での通常の教育活動、研究活動は勿論のこと、共用棟の学外との交流を図るセミナーの大講義室での開催等、有効な利用が始まっている。

(4) 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮

 プロジェクト自体の環境への影響は特になし。

(5) 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 本件のフォローアップとして以下の理由から技術協力が不可欠である。

  • 1万点に及ぶ機材のほとんどが有効に活用されている一方で、研究者の不足、技術の不足から、ごく一部の機材が十分に活用されていない。
  • ヴェトナムが直面している問題を扱う学科(例えば農薬の影響を扱う環境科学等)の立ち上げも検討すれば、協力の効果が飛躍的に増大。
  • 本大学には蘭、仏等様々な国が協力。現在、JICA長期専門家が技術移転の傍ら農学部発展のための協力を検討中であるが、日本の専門家の継続的活動が必要。

(6) 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

施設建設・機材供与であれば、技術協力を同時に行い、全ての機材が有効に活用され、大きな効果を生むよう検討されるべきである。

前のページへ / 次のページへ

このページのトップへ戻る
目次へ戻る