(1997年2月 在インドネシア大使館)
援助形態 | 有償資金協力(円借款) |
協力年度 | 1991年度 |
協力金額 | 32.46億円 |
相手国実施機関 | 公共事業省水資源総局 |
協力の内容 | 1990年2月に噴火したクルド火山の堆積物が降雨で土石流となることによる土砂災害を軽減するため、円借款により、3つの河川で土石流をコントロールできる砂防施設の建設・改修を行う。 |
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
砂防施設の維持・管理を行っているクルド火山・スメル火山砂防工事事務所とブリタール出張所は、必要な人員、車両、機材を有しており、管理状況は良好である。
2. 案件の選定・形成の適正度
対象地域は、開発の進んだブランタス川の中流域であり、地域住民の生命、財産の保護のために河川の安定化を図ることは急務であったので、プロジェクトの選定は適切であったと言える。
3. 当初目的の達成度及び効果
新設した砂防ダムは、灌漑・水道用取水施設や小規模発電施設、河川横断道路などの機能を持っており、農業生産の増加や生活水準の改善にも寄与している。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
このプロジェクトは、土石流による災害を未然に防止するもので、自然環境保全事業である。
5. 今後必要とされるフォローアップないしはアフターケア
将来、土石流が発生し、灌漑・水道用取水施設などの機能を持った砂防ダムに被害が生じた場合には、地域住民の安全と日常生活の安定を維持するため、速やかな復旧・補修が必要である。また、砂防施設が十分とは言えない他の地域についても、今後整備していく必要があると思われる。
6. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
本来は、土砂災害が発生したときに効果が発揮されるプロジェクトではあるが、他の機能を持たせたことにより、地域住民が日常的に利益を得ることができている。