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ミャンマー/原種貯蔵センター建設計画

(1996年2月在ミャンマー大使館)

<案件概要>

1. 援助形態 :無償資金協力

2. 協力金額 :16.13億円

3. E/N署名日:1987年7月7日

4. 相手国実施機関:農業省農業公社

5. 協力の内容 :当国における70年代の高収量品種米の普及に伴う伝統的な在来種の減少を契機として、80年代になって将来の品種改良に必要な素材の枯渇化が憂慮されるに至ったため、我が国は当国の要請を受け、稲を中心とした有用植物の遺伝資源の探索研究及びその貯蔵管理に必要となる施設、機材式を供与した。

<評価要旨>

1. 案件の維持・管理状況

 中央農業研究所(CARI)の他の部門の研究との連携や国際機関(IRR1等)との協力も活発に行われており、一部老朽化した機材もあるが、少ない研究予算の割には極めて良好な状態で維持・管理されつつ当初計画通りの役割を果たしている。

2. 案件の選定・形成の適正度

 本件は当時の当国第5次4カ年計画の最優先課題に基づいたものであり、施設の立地環境も良く、機材の整備水準等も当国ニーズに合致した計画となっているため、今後とも本分野への大きな貢献が期待され、案件選定、形成は極めて適正である。

3. 当初目的の達成度及び効果

 ミャンマーの政情により当初予定していた技術協力が得られない状況にあるものの、自助努力により既に7千点を超える貯蔵点数を数えており、近隣諸国や国際機関との情報交換の基地として、また、遺伝資源保存に係る研修センターとしてその果たす役割は大きい。

4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮

 固有資源の適正な保全、将来の国際的な食糧安全保障への貢献という観点から、広義の環境保全案件であり、種子分類作業等では周辺住民からの臨時雇用者(主に女性)が採用される等、雇用機会創出、女性の参画という面での好影響も出ている。

5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 本件は本格的な遺伝資源の研究・保存という当国では初めての分野の協力であり、当然ながら研究者の知識・技術も十分なものではないことから、当初の基本設計の時点から提言されている通り技術協力が必要である。一部老朽化している機材の補修、供与とともに、専門家による技術移転、活動の再活性を図ることが望ましい。(96年12月、今後の技術協力の進め方に関する調査団を派遣。また、研究機材については、97年度のフォローアップ協力を検討中。)

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