はじめに
ケニア(誇り高いマサイの人々)
1998国際協力フォトコンテスト 入選 坂本 達
途上国の開発は、世界の平和と安定に密接に関連していることから、我が国が政府開発援助(ODA)を通じて、経済的パートナーでもある途上国の経済・社会開発を支援していくことは、我が国の長期的な安全と繁栄に資するものです。さらに、このような努力は、国際社会における我が国の評価を高め、日本および日本人に対する幅広い理解と支持、協力の確保につながっています。このように、ODAは我が国の重要な外交上の手段であり、21世紀を目前に控え、国際的にも途上国支援の重要性はますます高くなっています。
他方、日本経済が低迷し、財政状況が厳しい中にあって、日本のODAの意義は何か、日本のODAは効率的・効果的に実施されているか、が問われているのも事実です。我が国では、既に、ODA全般にわたる改革を進めていますが、更に質の高い、効果的・効率的な援助を追求することにより、ODAに対する理解と支持を深める必要があると考えています。評価結果の公表もその観点から重要であり、また、同時に、評価システムの見直しや改善を進めています。17回目となる今回の報告書では以下のような改善を試みました。
- 従来の報告書では外務省の評価活動のみに言及していましたが、今回はJICAとOECFの協力を得て、これらの実施機関の評価活動を説明するとともに、97年度のそれぞれの機関の評価結果も外務省の評価結果と合わせ分析・まとめの対象としました。これにより、外務省と実施機関が行っている評価の全体像を示しています。
- 本年は、総論部分を充実させるため、より多角的な分析を試み、かつ前述のようにJICAとOECFの評価結果も対象としたので、より包括的な分析結果を示すことができました。
- 総論部分と個別の評価結果からなる各論を分け、分冊化することにより、使いやすい報告書としました。また、総論部分では図表を従来以上に多く用い、報告書を見やすいようにしました。
本報告書を公表することにより、ODAおよびODA評価に対する理解と支持が深まることに役立つことができれば幸いです。今後とも、さらなる改善に向けて努力を続けていくことが重要であると認識していますので、本報告書に対するご質問・ご意見等がありましたら是非お聞かせ下さい。
1999年7月