近年、援助を取り巻く国内外の環境は大きく様変わりしています。特に日本においては、厳しい経済・財政状況を背景に、ODA事業の効果的・効率的実施が強く求められています。このような背景の下、より効率的なODA実施体制を構築していく上で、ODA評価の役割はますます重要となっています。外務省では、1981年以来、ODA評価を実施してきており、これがODAの改善に少なからぬ貢献をしてきました。しかしながら、評価手法等についてもたゆまぬ改善が必要なことは自明のことであり、外務省としてもODA評価の改善のため、総合的かつ継続的な検討を行ってきました。その中の一つとして、2000年3月に、「援助評価検討部会」(部会長:河合三良・国際開発センター会長)から、「『ODA評価体制』の改善に関する報告書」が外務大臣に提出されました。この報告書では、これまでのODA評価の問題点や課題を整理し、改善策等を提言しています。この提言の実施は、日本のODAの評価体制の大きな転機となるとみられており、現在、その実施に向けて努力しています。また、日本だけでなく国際機関や他の援助国でもODA評価に対する取組は重要視されており、日本としても、同報告書の提言に盛られた事項の実施にあたっては、これら各国の取組も参考にしつつ進めているところです。本章では、ODA評価活動に関する日本の動向について説明します(なお、ODA評価に関する世界の動向については、囲み記事をご参照下さい)。