(6)日本への関心・理解が深い人、在外日系人等との連携
ワークショップに取り組むABEイニシアティブ参加者(写真:JICA)
日本のODAによる研修参加者や留学経験者等は、日本の文化や価値観を理解する重要な人的アセットです。日本への研修参加者や留学経験者等が、自国へ帰国後、同窓会組織を形成し日本との交流や理解促進に関する活動を行う例も見られ、在外公館を通じて、このような日本への関心・理解が深い人材との連携を促進しています。
ASEAN諸国では、JICA青年研修(旧:青年招へい)の帰国研修員が各国で同窓会組織を作って活動しており、1988年にはASEAN各国の同窓会組織を統合した「AJAFA-21」が発足しました。AJAFA-21は現在もASEAN地域間および日本との間での交流活動を継続して行っており、2025年3月には、ラオスにおいて第37回AJAFA-21理事会が開催され、ASEAN諸国と日本からの参加者が集まり、連携と絆(きずな)を深めました。
ABEイニシアティブ注13では、同プログラムへの参加者の研修修了後のフォローアップの拡充に取り組んでいます。例えば、アフリカ各国にあるJICAの現地事務所が中心となり、帰国したばかりの修了生やOBが参加するネットワーキングイベントを年に一度開催するとともに、オンラインを活用しつつ、日本企業関係者とのネットワーキングの機会を設け、日本企業への就職や日本企業との連携を進めるきっかけ作りを行っています。また、ABEイニシアティブ参加者の人的ネットワークを強化する目的で、2020年4月にSNSを活用したネットワークが立ち上げられ、2025年9月時点で、現役生・修了生合わせて1,300人以上が参加するとともに、日本企業、JICA海外協力隊経験者も参加し、日本企業のアフリカビジネス関連の情報発信や相互の交流を行っています。また、年に一度、オンラインでの修了生間のネットワーキングの場も提供しています。その結果、ABEイニシアティブ修了生が日本企業の誘致に係る活動に従事するなど、まさに日本とアフリカ諸国をつなぐ架け橋となる事例が生まれており、日本とアフリカ諸国の間の理解および信頼の構築に寄与しています。
日系人は、多くの場合、居住国で日系社会を形成しており、日本と各国との強い絆の礎となっています。全世界の日系人の約60%を占める中南米の日系社会は、地域開発の拠点となって技術移転などを通じて居住国の経済発展に大きく貢献するとともに、様々な分野における日本との「架け橋」や「パートナー」として重要な役割を果たしています。JICAでは、中南米の日系社会と日本の連携に主導的な役割を果たす人材への技術協力として、日系社会研修や、日系人子弟(中学生、高校生、大学生)を対象とした日系社会次世代育成研修を実施しています。日系社会研修については、2020年から新たに「日系サポーター」制度が創設され、教育現場や自治体などで研修を受けた上で、在日日系社会における教育や社会福祉分野等の課題解決に貢献することを目指しています。2024年度は、中南米11か国183人が日系社会研修に参加しました。また、中南米の日系社会で自身の技術や経験をいかしたいという意欲のある日本の人材をJICA海外協力隊として日系社会へ派遣しています。2024年度は4か国に日系社会ボランティア46人が派遣され、日系人、日系社会の人々と共に生活・協働しながら、中南米地域の発展のために協力しています。
- 注13 : 用語解説を参照。
