2022年版開発協力白書 日本の国際協力

(2)国際協力事業関係者の安全対策

ゴルゴ13×外務省 ©さいとう・たかを

©さいとう・たかを

ODA事業を中心とする開発協力の実施にあたっては、JICA関係者のみならず、ODAに携わる企業、NGOなど全ての国際協力事業関係者の安全確保が大前提です。2022年は、新型コロナウイルス感染症に対する水際措置や行動制限の緩和・撤廃が世界的に進みました。外務省およびJICAは、こうした状況においても油断することなく、海外渡航に伴う適正なリスク評価と適切な感染予防・感染拡大防止策を継続し、JICA海外協力隊を含む国際協力事業関係者の安全確保に努め、事業推進に尽力しました。

また、2016年7月のバングラデシュ・ダッカ襲撃テロ事件後、関係省庁、政府関係機関および有識者が参加した国際協力事業安全対策会議での再検証の結果公表された「最終報告」注23を受け、外務省およびJICAは、同報告書に記載された安全対策注24の実施に取り組むとともに、国際協力事業関係者の安全対策の実効性を確保するための対応を継続・強化しています。最終報告以降に常設化された2022年の同会議では、最近のテロ情勢および治安状況を含む世界情勢の変化を踏まえ、国際協力事業関係者の安全対策に関する取組などについて議論を行いました。

新型コロナの感染拡大下においてもテロのリスクは減っていないことから、2022年4月、外務省は、国際協力事業関係者を含む国民の海外での安全対策強化のために活用してきた「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」に、感染症流行下でのテロといった「複合化したリスク」への対策の必要性を訴えるエピソードと解説の動画を追加し、公開しました。また、2022年10月より、LINEサービス上で、「デューク東郷からの伝言」との形でゴルゴ13を交えた安全対策の啓発・マメ知識の配信も行っています。


  1. 注23 : https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/keitai/page22_000120.html
  2. 注24 : (1)脅威情報の収集・分析・共有の強化、(2)事業関係者およびNGOの行動規範、(3)ハード・ソフト両面の防護措置、研修・訓練の強化、(4)危機発生後の対応、および(5)外務省・JICAの危機管理意識の向上・態勢の在り方の5点。
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