2022年版開発協力白書 日本の国際協力

新型コロナウイルス感染症対策支援

日本は、2022年も開発途上国の新型コロナウイルス感染症対策支援を継続し、COVAXファシリティに対する合計最大15億ドルの財政支援を表明し、ワクチン供与、「ラスト・ワン・マイル注1支援」、感染症対策のための医療体制の整備・強化などの取組を実施しました。

新型コロナの世界的拡大を通じ、私たちは「全ての人が安全になるまで誰も安全ではない」ことを再認識させられることになりました。ODAは日本人の健康や経済活動を守るためにも不可欠です。ここでは、日本の取組の一部を紹介します。

カンボジア ラスト・ワン・マイル支援

コールド・チェーン注2整備を含む予防、診断、モニタリングに係る機材(ワクチン保冷庫200個、ワクチン搬送用バイク400台など)を供与しました。バイクはアクセスが困難な遠隔地でのワクチン接種(ラスト・ワン・マイル支援)に貢献しています。

カンボジア ラスト・ワン・マイル支援

タジキスタン 救急車両整備、保健システム強化

タジキスタン全土の市および郡レベルの病院67か所に、基本的な医療機材を搭載した救急車や専門医療サービスの提供が可能な救急車94台を整備しました。新型コロナの急患の搬送能力、へき地に暮らす人々の保健サービスへのアクセス向上に貢献しており、同国政府からも感謝の意が伝えられました。

タジキスタン 救急車両整備、保健システム強化

ペルー 新型コロナ感染予防・啓発

ペルー日系人協会と連携し、新型コロナ予防・治療キャンペーンを実施しました。日本における3密回避などのノウハウをペルー国内に普及させることにより、日本の顔が見える支援をペルー全土に展開しました。

ペルー 新型コロナ感染予防・啓発

東ティモール ワクチン供与、ラスト・ワン・マイル支援、医療体制の整備・強化

2021年に日本で製造したアストラゼネカ社製ワクチン約17万回分を供与しました。加えて、オーストラリアやUNICEFなどと協力しながら、日本企業の技術を用いた多目的救急車やワクチン運搬ボックスを供与するとともに、保健局人材の能力を強化し、地方へのワクチン運搬を促進しました。

東ティモール ワクチン供与、ラスト・ワン・マイル支援、医療体制の整備・強化

チリ 機材供与による検査能力強化

2019年度課題別研修注3に参加したJICA帰国研修員の自国での取組を支援する協力として、同帰国研修員が医師として所属する病院に新型コロナの検査に係る機材を供与しました。その結果、同病院は、チリ国内のPCR検査の20%を担える機能を有することとなり、同国の検査機能の増大に貢献しています。

チリ 機材供与による検査能力強化

アフリカ諸国 ワクチン製造支援、医療体制の整備・強化

アフリカ輸出入銀行(Afrexim)注4に対して4億ドルを上限とする海外投融資を実施しました。Afreximを通じ、アフリカのワクチン製造ラインを含む医療品・医薬品の域内製造・供給拠点の整備、病院等保健医療関連施設の整備を実施し、新型コロナからの円滑な社会経済活動の回復を支援しています。

アフリカ諸国 ワクチン製造支援、医療体制の整備・強化

  1. 注1 : 物流・通信サービス等の分野において、モノまたはサービス提供のための最終拠点から利用者や消費者にモノまたはサービスが届くまでの最後の区間のこと。
  2. 注2 : 注54を参照。
  3. 注3 : 課題別研修「HIVを含む各種感染症コントロールのための検査技術とサーベイランス強化」。
  4. 注4 : アフリカ52か国の政府が加盟する地域開発金融機関。
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