2020年版開発協力白書 日本の国際協力

(2)国際協力事業関係者の安全対策

ODA事業の実施にあたっては、国際協力事業関係者の安全確保が大前提です。JICA関係者のみならず、コンサルタント、施工業者、NGOなど、様々な国際協力事業関係者が活動している国又は地域における脅威は複雑で、国又は地域ごとに状況が異なる上、常に変化しています。特に2020年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、外務省およびJICAは、開発途上国をはじめとする世界各国の開発協力の現場で実務にあたっていたJICA海外協力隊を含む国際協力事業関係者の帰国・再渡航支援を実施しました(詳細は第Ⅰ部特集を参照)。

また、外務省およびJICAは、2016年7月のバングラデシュにおけるダッカ襲撃テロ事件を受け、関係省庁、有識者と共に国際協力事業関係者の安全対策を再検証し、同年8月、「最終報告」を発表しました注22。これは、「安全はもはやタダではない」ことや、組織のトップ自らが主導して安全対策を講じる必要性を認識し、より広範囲なNGOを含む国際協力事業関係者の安全の確保に向け、以下に関して講ずべき措置をとりまとめたものです。

①脅威情報の収集・分析・共有の強化

②事業関係者およびNGOの行動規範

③ハード・ソフト両面の防護措置、研修・訓練の強化

④危機発生後の対応

⑤外務省・JICAの危機管理意識の向上・態勢の在り方

外務省およびJICAは、「最終報告」に記載された安全対策の実施に取り組むとともに、国際協力事業関係者の安全対策の実効性を確保するための対応を継続・強化しています。


  1. 注22 : https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/keitai/page22_000120.html
このページのトップへ戻る
開発協力白書・ODA白書等報告書へ戻る