◆人口100万人、長野県程度の広さの小国が、旧統治国や周辺諸国のヘゲモニー闘争の中で苦しみながらも、国家として成立してくる過程がよくわかりました。
島国日本の平和ぼけ振りが、少し恥ずかしくなりました。
◆サンタクルス事件に関しては、厳しい報道管制をぬってジャーナリストが秘密裏に持ち出した事件のビデオテープが海外で報道された結果、西側諸国によりインドネシア批判が高まり、国連人権委員会の決議や、米国による対インドネシア軍事協力の停止などに結びついたと聞き、真のジャーナリズムの大事さを痛感しました。
◆スハルト政権の東ティモールへの激しい弾圧の話は、ほとんど知らなかったです。20万人(人口の4分の1)が戦闘、弾圧、飢餓で命を落としたと聞き、すぐ近くのアジアで、つい30年前に、そんなことがあったことに大変驚きました。
◆凄く面白いお話が聞けました。また、「民族ってなんだろう?」「国家って何か?」「東ティモールのような小国へのODAの意味はなんだろうか」等々、色々なことを考えさせられました。
◆サンタクルス事件の事は、ほとんど知りませんでしたが、統合派に殺害された独立派の青年の追悼ミサが、独立を求めるデモに発展し、死者270名(一説には400名?)の惨事となったと聞き、民衆の普段のストレスレベルの高さと、それを緩和できていなかった政府の無力さを実感しました。政治的リーダーの資質を大いに考えさせられました。
◆コーヒー産業によるモノカルチュア経済(農業がGDPの4分の1)は、家族農業的で、商業ベースには乗らないのが現状とのことでした。一方、石油・ガス開発からの税収入が急増(採掘企業からのロイヤリティ)し、国家歳入の約9割を賄っているとのことでしたが、その金(年間400億円と聞く)は、何処へ消えているんだろう?など、疑問を感じました。もっと東ティモールについて勉強したいと思いました。