◆日本の保健分野の成果については,世界中が注目していると思います。20世紀初頭にはまだ途上国であった日本が100年で先進国となって優れた健康水準を維持していることは,驚くべき成長でした。この日本の良い経験が,ODAと相まって国際協力に貢献できることであると再確認できました。今後,政策を定めて方針を据えた日本政府が,ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC),ポストMDGといった国際社会でのリーダーになっていくことが,世界の人々の健康のためにも,日本の人々が納得してODAを支持するためにも重要であると感じました。
◆日本の保健分野のODAが,国際保健外交戦略などの方針の下で戦略的に計画されているというのが印象深かったです。
特に,今後「全ての人に基礎的保健医療サービス(UHC)」をという大きな世界の流れの中で,日本の経験が活かされることも多いと思います。
日本が国際社会でプレゼンスを高めていくことを期待しています。公衆衛生を学ぶ私も将来,国際社会で活躍できるよう,日本政府の動向や政策にも注目しつつ,世界の保健分野の向上に貢献したいと思いました。
◆現在,国連での議題やG8サミットなど国際社会の全体的枠組を議論する場で,保健・公衆衛生は優先課題として上位に検討すべき課題になっていることを実感しています。
そのような流れの中で,日本の健康長寿,医療アクセスの良さといった経験や,(がん・心臓病・脳血管疾患等)非感染症疾患対策の歴史,そして具体的な取組は,まさに世界に向けて主導できる内容であると思いました。是非日本のODAにはこうした日本の強みを発揮して世界全体の問題でもある,健康に生きることを支えていっていただきたいと思いました。
◆国際的な保健政策に係る部分は,なかなか普段は聴く機会がありませんので,とても興味深かったです。
日本のプレゼンスが低くなっていることはカンボジアで実感しておりました。が,一方,お金のバラまきになりがちな欧米系の援助に比べ,日本の援助は現場のニーズに即しているという意見があったのも事実です。
もはや日本の援助は時代遅れとも言われていますが,日本の強みを活かした援助のあり方を追求できるとよいかなと,国際協力に身を置く者として考えています。