2014年11月26日(水曜日),愛知大学経済学部に外務省国際協力局開発協力総括課の鈴木宏典課長補佐を講師として派遣しました。今回の出前講座では,同大学「国際金融論」の履修者及び一般来場者約320名を対象に「日本のODAの現状と課題」というテーマで講義を行いました。
講義概要:「日本のODAの現状と課題」
◆参加者からの感想(抜粋)◆
◆現在日本国内では財政赤字が増大しており,海外よりも国内という声が大きくなっていますが,今後日本企業が海外進出しやすい環境をつくるためにも,ある程度その予算を考慮する必要性があると感じました。
今までODAについては,メディアに取り上げられていても「日本が海外に向けて行っている支援活動」程度の認識でしたが,今回のお話しで,今一度しっかりと考えるべきだと思いました。お話しにもあったとおり,情けは人のためならずで,これから海外への展開が叫ばれている日本企業にとって,ODAによって海外市場の環境を整えることは非常に重要なことであると感じました。
◆ODAは新興国,途上国のためだけにやっているものだと思っていたが,それをすることにより沿岸部の途上国の海上保安の質を高め,シーレーンの安全性が確保され,最終的に日本のためにもなるということが分かった。
◆ただお金を与えて支援しているのでは,と思っていましたが,日本のODAは地元の人達の目線に立って,地元の人達と一緒になって活動していることを学びました。このような活動によって地元のニーズに応えることができ,現地で本当に困っていることに対して支援を行えているのだと思いました。
◆日本は景気が悪いと言われている割に,無駄遣いの多い国なのではないかと考えていたが,今回の講座で考えが変わった。ODAに関しても,無償で支援して日本に得があるのかと考えていたが,国際社会の安定確保など政策的効果がとても大きいということが分かった。
◆交番や母子手帳などの制度は日本には当たり前にあるようなものだが,整っていない国もある。そのような国で先進国の一つとして日本が支援を行っているのはとても良いことであると感じた。物資の援助も大事だが,技術やインフラの提供も重要であることが良く分かった。また,そのような関係を通じて,国と国が友好的になり,困った時にお互い助け合うことも可能になるのは両国民にとってプラスである。これからの世界では,国と国のつながりが重要であると思う。
◆ただ援助するだけでなく,日本の支援がなくなっても,自分たちだけでも持続できるような方法でODAは活動しているんだなと思いました。また,日本が得意としている分野を支援することで日本の企業の利益に繋げているというのを知って,このことも持続可能にしている要因であるということを学びました。
◆日本のODA予算が少なくなってきている中で,様々な支援等を継続している点なども,日本と途上国とをつなぐものになっているし,自分たちが入る可能性もある中小企業,民間企業などの海外展開にも関係がある官民連携についても講義前より格段と興味がわいた。自国の他国への支援が自国のビジネスとなって,またその支援が持続していくというシステムはとても良いものだし,両国共にプラスの点が多いと思った。
◆ODAを政府から開発途上国,新興国へただ援助するだけのものだと考えていたのですが,援助することで日本の印象の向上や更なる日本製品への需要を発生させ,結果として無償援助が日本の国益となっていくことが分かりました。
◆税金を使って行っていることなので,何を何のためにしているかということが分からないと,どうしても不安になってしましますが,今回の講演のように何をやっているかということを知る機会があるのはとても良いと思いました。