参加希望 ODA出前講座

第271回ODA出前講座 開催報告
~徳島県立城東高校~

 2014年11月25日(火曜日),徳島県立城東高校に外務省国際協力局開発協力総括課の柏口温子外務事務官を講師として派遣しました。今回の出前講座では,同校の人文社会コース1年生33名を対象に「ODA60年の歴史と日本のODAの特徴」というテーマで講義を行いました。

講義概要:「ODA60年の歴史と日本のODAの特徴」

  • (写真)講義の様子1

参加者からの感想(抜粋)

今回私が最も感心したことは,ODAの援助の内容についてです。「援助」と言われると,「困っている人に役に立つ物を無償で与える」という風に考えてしまいますが,ODAが最も大切にしていることは,「相手国が自立できるようになること」です。つまり「困っている人が自分の力でこれから生きていけるように手助けをする」ということなのです。私はこのことに気づかされたとき,国際社会で世界中の人々と交流していくうえで一番大切なことは思いやりの心であるということが分かりました。
正直なことをいうと,私はODAについて否定的な立場でした。借金がある日本がどうして金銭的な援助を行おうとするのかと思っていたからです。けれど,今回の講演でその考え方が変わりました。誤解していたことが2つあったのです。一つは,日本が援助する資金を無条件に提供していないこと。他国からの要望があったらすぐに貸し出すものだと思っていましたが,本当の目的は途上国の自助努力の醸成だと知りました。もう一つは現地の人々と協力し合って改善しているということです。日本が一方的にやっていると思っていたのですが,実際は被援助国と援助国が歩み寄っていて,感覚としては友人間の助け合いと大差ないなと思いました。
「他国との関係に自分たちの生存がある」という言葉が心に残りました。そして先生が学生時代にインドでボランティア活動をした際に,シスターに「手を差し伸べることも大切であるけれど,それだけでなく政策が必要」と言われ,自分はどの歯車になればよいのかと考え,開発援助をしようと思ったから外務省に勤めたという話もとても心に残りました。実際に活動をして体験しなければそのように思わなかったと思うので,私も将来様々な体験をしようと思いました。
ODAはお金の支援をして,その相手国も日本が選ぶものだと思っていましたが,支援を要請した国を支援するのだと知ることが出来ました。
また,お金でなく人を派遣して技術を伝えたり,お金で支援する場合でも貸すのが良いのか,渡すだけが良いのかを判断しているのだと知りました。また,お金を渡しても正しい使い方をしなければ無駄になってしまうけど,技術協力を応用したり活用すれば,発展にとても役立つと思いました。
「Give and Take じゃなくて,Give and Giveで良い」という言葉を聞いて,援助へのお返しを求めるのではなく,お互いの国が困った時に助け合う,協力し合うことが大切なのだと気づきました。「援助したからと言って,お金では返ってこないかもしれないが,日本への評価として返ってくる。他国の人は日本に対してとてもポジティブなイメージを持ってくださっているので,この印象を維持していくことが大切です」ともおっしゃっていたので,日本のことをとても誇りに思うべきだと思いました。
日本で東日本大震災が起こった時,以前に日本から支援を受けたとても貧しい発展途上国が物資を届けてくれたと聞き,こういうことが利益の有り無しを考えずにお互いを支え合う「真のグローバル化」ということではないかと思いました。
柏口さんの実体験の話はとても印象的で,インドで,赤ちゃんが排水溝に捨てられている。今にも死んでしまいそうなガリガリなおじいさんが物乞いをしている。そんなことがクリスマスの日にも起こっているなんて考えたこともありませんでした。「自分たちが楽しんでいる間にも多くの人が命を落としている」。そう思うと,自分ができることはまだまだあり,これから人々がどれだけそういった問題と向き合って解決していけるかが重要になってくると思います。
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