2014年7月11日(金曜日),長野県長野西高等学校に外務省 国際協力局事業管理室の和田康彦 審査役を講師として派遣しました。今回の出前講座では,同高校国際教養科1~3年生約120名を対象に「国際社会の開発課題と日本のODA」というテーマで講義を行いました。
講義概要:「国際社会の開発課題と日本のODA」
◆参加者からの感想(抜粋)◆
◆開発途上国が世界の4分の3を占めていることに驚きました。また,開発途上国になってしまう原因が感染症(マラリアなど)や衛生面の問題,環境の問題,紛争やそこから生まれる難民達など,こんなにもたくさんあると知りました。一つ一つが本当に大きな問題で,みんなで考え,協力しないと解決できないことです。そういった問題を解決するためにもODAは大きな役割を果たしているのだなと思いました。
特に私が感動したのは他の国に支援として伝えた技術を継続させようと南南協力支援などを行っているところです。本当に他の国のために協力しようとしている日本の素晴らしさを感じました。
◆日本が色々な国を援助する意味について考え方が変わりました。戦後,海外から援助を受けて今日の日本があり,大震災の時,たくさんの援助のおかげで被災地や日本全体が助けられた。このような海外からの援助を受け助けられた立場として,困っている国を助けることが恩返しだと思った。年々,ODAの予算が減っているというお話しを聞き,これまで助けてもらったことを考えるともっと力を入れたいと思った。だが,今の日本は国内での複雑な問題が絶えないし,大きな借金があることで海外への援助まで手が届かないことが現状なのだなと実感した。
◆現在の世界の現状について詳しく教えていただいたおかげで,今までよりも世界への関心が強まった気がします。日本では内戦が起こることはないので,世界で内戦がたくさん起こっていると知っていても,あまりピンときませんでしたが,独立してからも価値観の違いや利権争いなどでまた内戦が始まってしまうと聞いて,内戦が増え続けている理由が少し分かった気がしました。独立するまでは強かった団結力が独立したことによって無くなってしまうなんて悲しいと思いました。
◆援助は軍事的に使われないようにすることや,ものをあげるだけではなく,持続性を重視していること,援助した国が援助する国になれるようにするところまで考えられていることが分かった。特に援助する上での目的意識がとても重要である事が分かりました。ただ物資をおくる,資金を提供するというのではなく,援助したその先のことまで考えられていることに感銘を受けました。
しかし,質の良い支援の一方で,日本がいまだ世界的基準である0.7%(対GNI比の国連目標)を達成したことがないなど,まだまだ先進国としてやるべき事がたくさんあることを改めて理解することができました。
◆日本がどのように国際支援を行っているかわかりとても興味深い内容でした。また,世界が今どのような状況なのかもわかり,自分がとても豊かな環境で育っていることへのありがたさを感じました。しかし,情報量がとても多く,知りたいことが詳しくは知れませんでした。気になったことを自分でも調べたいです。日本が世界的にみてもとても支援をしていたことは何となくは知っていましたが,まだまだ足りないと聞いてびっくりしました。日本のODAの特徴として,相手国のオーナーシップを尊重するやり方がとてもすばらしく,共感することができました。
◆私は今,学校にも行けてきれいな水を飲むことが出来て,きれいなトイレを使えるけれど,そうでない人が世界にはたくさんいるということを聞いて,生まれる場所,国が違うだけで,そのような差が出来てしまうのは悲しいことだと思いました。生まれた場所によって人の人生とか生活が決まってしまうなと思いました。私は今,自由に進路を決めることができ,自分のやる気次第で何でもできるだろうと思っています。しかし,学校に行けない子どもは,勉強が出来ず,児童労働をしています。学校に行けなかった子どもは自由にやりたいことができないのだろうなと思います。幼いときから働いて大人になっても何らかの知識などのハンデをもって生活しなくてはなりません。私だったらそのような生活は耐えられないと思います。世界の苦しい生活をしている学校に行けない子どもをもっと助けてあげて欲しいです。