(資料3)
2003年3月31日
大野健一
在越現地チーム(日本大使館、JICA、JBICなど。北野公使が取りまとめ役)と大野委員は、在越JETRO事務所の協力も得ながら、援助関係各省、ベトナムで活動するNGO、専門家・研究者を含む各方面の関係者との意見交換を経て、中間成果物として「対越国別援助計画の見直し(ショート・ドラフト)」を作成した。本日ODA総合戦略会議に提出する。これを叩き台としてさらに各方面からの意見を受けながら検討を加え、本年9月末までに最終案を提示する予定である。
以下は本ショート・ドラフトの主なポイントを示したものである。
対越援助の国益・戦略性(p.1):
ASEANとの関係、対中外交におけるベトナムの位置(我が国の安全保障と経済的繁栄にとっての意味)、人道的・社会的要請、世界の開発援助政策における含意、を明記。
ベトナムの開発に関わる状況(pp.1-4):
国際競争激化の中でベトナムはさらなる成長か取り残されるかの岐路に立つとの認識のもと、成長への課題(市場経済化の促進、投資環境整備、インフラ整備)、および成長によって解消されない(あるいは悪化する)社会問題を中心に記述。
開発戦略の動向(pp.4-5):
これまでの我が国の対越援助を問題点も含めて記述。開発ニーズへの越政府の取り組みを我が国の認識と合致するものと評価し、他ドナー・NGOの動向も指摘。
対越援助の基本方針(pp.6-8):
(1) |
外交上の観点や経済的な相互依存関係の観点とともに、人道的・社会的関心から、ベトナムの発展を支援する。 |
(2) |
成長促進、社会生活面の改善、制度整備の3分野を支援する(なおサブセクターレベル等への絞込みは、現在進行中の各セクター毎の援助戦略の検討作業を待って9月までに決定する)。 |
(3) |
援助規模の定性的方向性を示す。今後のレベルを考える際、「制度・政策環境」の状況と、援助吸収能力には留意が必要。 |
(4) |
セクターの援助戦略を検討し、越政府との政策対話を通じ、「要請主義」を超えた「対話型」の案件形成・採択を指向。各ドナーとの対話・協調を強化する。我が国の各援助スキーム間の連携・役割分担を明確化する。 |
(5) |
NGOとの連携の強化。 |
(6) |
環境配慮の徹底。
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(7) |
評価の強化と評価結果の反映。 |
(8) |
援助協調においては、我が国による知的リーダーシップの発揮、および効果・効率性のための我が方の改善、の双方に取り組む。 |