ODAとは? ODA改革

ODA評価有識者会議による平成16年度評価結果の概要

(資料5)

ODA評価有識者会議主査 牟田博光


平成16年度の評価

(1)国別評価 バングラデシュ国別評価
ラオス国別評価
ウズベキスタン・カザフスタン国別評価
エチオピア国別評価
(2)重点課題別評価 教育関連MDGsへの取り組み評価
保健関連MDGsへの取り組み評価
対人地雷支援評価
スキーム別評価(レビュー) 調整融資のレビュー

 以下、報告書に記載された主な提言について整理した。

1.戦略的・効果的・効率的援助

戦略性
  • 当該国に対する経済協力の意義を明確にする事が必要(ウズベキスタン、カザフスタン、ラオス)
  • 戦略的、効率的に重点化をはかる(ラオス、エチオピア)
  • わが国ODA活動の認知度を高める必要(カザフスタン)
成果重視
  • 目標体系の作成が必要(バングラデシュ、エチオピア)
  • 国別援助計画の達成度評価の仕組みを検討(バングラデシュ)
  • MDGs達成に即して、中間目標を設定し、達成度をモニタリング(保健MDGs)
  • モニタリング体制の構築(バングラデシュ)
  • MDGs達成に向けた効果的な地域別、国別援助メニューの検討(教育MDGs)
効率的な効果の達成
  • 適切な援助受け入れ機関の選定(対人地雷)
  • 継続的な支援の重要性(対人地雷)
  • 中期的なコミットメント(エチオピア)
  • 2KR等の見返り資金の積み立てや利用の監理をしっかりと(ウズベキスタン)

2.援助能力の強化:事業の質の確保、援助スキームの改善・柔軟化

スキ-ムの改善・柔軟化
  • 援助スキームに基づく協力ではなく、ニーズに即した協力を(ラオス)
  • 無償資金協力の改善。オフ・セッティング、コスト・シェアリング等の問題(エチオピア)
  • 援助手続きの調和化、簡素化(エチオピア)
  • 成果主義を徹底し、事業の質改善に役立てる(保健MDGs)
  • 草の根無償案件の運用改善(対人地雷)
  • 初等・中等教育分野への有償資金の活用(教育MDGs)
  • 無償資金協力の有効活用(一般無償、草の根無償)(教育MDGs)
  • あらゆる連携・協調の仕組みを駆使して相乗効果を高める(エチオピア)
  • 教育MDGs達成への総合的アプローチ(教育MDGs)
援助人材の育成、援助の仕組み・手法の改善
  • MDGs案件の発掘、形成を任務とする専門家を配置(保健MDGs)
  • 国内の専門組織の活用や人材の育成(保健MDGs)
  • 援助要員の増員・強化(エチオピア)
  • 現地機能の強化(バングラデシュ)
  • PDMの活用(保健MDGs)
  • 技術協力額の透明性向上(エチオピア)

3.ドナー協調に対する柔軟な対応

ドナ-協調の在り方
  • 他ドナー、国際機関、NGOとの協調のあり方を考える(ウズベキスタン、カザフスタン)
  • 他ドナーの援助戦略の研究が重要(ラオス)
  • 財政支援やコモン・バスケットへの対応(教育MDGs)
  • コモン・ファンドへの資金投入を考慮(エチオピア)
国際機関の活用と評価
  • 国際機関等との協力事業の推進(保健MDGs)
  • 国際機関への拠出金の有効な活用(教育MDGs)

4.上位計画、行政能力向上(キャパシティ・ビルディング)に対する支援

  • 総合的な上位開発計画に対する積極的な支援、働きかけが必要(ウズベキスタン)
  • 当該国の受け入れ態勢を含む行政能力の向上の為の支援が重要(ウズベキスタン、カザフスタン、ラオス)
  • 政策協議・対話のいっそうの充実(エチオピア)
  • インフラ整備と共にその活用、ソフト面の支援も合わせて行う事が重要(ウズベキスタン、カザフスタン、ラオス)
  • オーナーシップ意識を引き出す事が重要(ラオス)
  • 財政基盤強化への支援が必要(ラオス)
  • 統計データの整備に関する支援が必要(ウズベキスタン)
  • 免税措置に当該国国会の承認が必要で非効率(カザフスタン)

5.BHNに対する支援の強化

支援の強化
  • 基礎教育の充実(エチオピア)
  • 保健医療環境の悪化に対して支援を強化する必要(カザフスタン、エチオピア)
  • 貧困地域への支援(ラオス)
  • 食料安全保障(農業、水、食料輸送のための道路)(エチオピア)
MDGs達成の意義の広報と政策的コミットメントの確立
  • MDGs戦略を政策として打ち出す(保健MDGs)
  • 広報活動の強化(対人地雷)
  • 教育援助政策として発表されたBEGINが具体的に実施されずに、メッセージだけで終ろうとしている(教育MDGs)
デ-タ・ベ-スの整備
  • MDGs案件データ・ベースを構築し、知識や経験を共有化(保健MDGs)
  • ODAインプットの状況をMDGs目標ごとに分類、MDGs関連の課題を戦略的に策定(保健MDGs)

6.地域内、地域間協力の促進

  • 地域内協力の促進による政治の安定、経済発展をはかる(ウズベキスタン、カザフスタン、ラオス)

7.分野横断的課題への配慮

  • ジェンダー(ラオス、バングラデシュ)
  • ガバナンス(バングラデシュ)
  • 平和構築(エチオピア)
  • 民主化、民営化(エチオピア)
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