(資料3)
平成16年11月8日
「バングラデシュ国別援助計画」改定作業の方針(案)
-東京・現地タスクフォースでの議論を踏まえて-
山形辰史:東京タスクフォース主査
1.基本認識
(1)現行国別援助計画策定(2000年3月)後の多くの変化を踏まえる必要あり。
(イ)I-PRSP策定(2003年3月)、PRSP策定中(2004年末を目標)。
(ロ)初等教育、保健をはじめとするセクタープログラムの進展。
(ハ)債務削減方式の変更(2004年3月)→債務削減相当資金の活用。
(ニ)ガバナンスの問題の深刻化(治安の悪化、汚職等)。
(ホ)マクロ経済の安定と堅調な経済成長。
(2)現地ODAタスクフォース(バングラデシュ・モデル)の進展を活用。
(イ)セクター毎の知見の蓄積を反映。
(ロ)国別援助計画と現地ODAタスクフォースの整合性の確保、連結の実現。
(ハ)各種ドナーやNGO等との連携の促進が可能に。
2.意義と狙い(新機軸)
(1)日本・バングラデシュ両国民及び開発パートナーへの効果的かつ簡潔なアピール
(わかりやすい標語、バングラデシュ開発のビジョン、プレゼンテーションの工夫、これまでの日本の援助の評価や成功事例の紹介等)
(2)国別援助計画と現地ODAタスクフォースの整合性・一体性の確保
(国別援助計画に盛り込むべき内容と現地ODAタスクフォースが柔軟に対応すべき内容の検討。国別援助計画を効果的に実施するための現地ODAタスクフォースの機能強化、過去の援助の評価を踏まえたセクター別ローリングプランの策定等)
(3)バングラデシュの政策・制度への整合化による自助努力と開発成果の確保
(貧困削減戦略文書(PRSP)の策定とのリンク、他ドナーの開発戦略との整合性の確保、プログラム・アプローチの導入と開発パートナーシップの推進、ミレニアム開発目標との関連付け、モニタリング評価システムの改善等)
(4)日本の知見の発信
(人間の安全保障、能力開発、セクター毎の比較優位等)
3.作業体制
(1)6現地ODAタスクフォース(とりまとめ:大使館・紀谷参事官、担当:大使館・加山専門調査員)と東京国別援助計画タスクフォース(とりまとめ:アジア経済研究所・山形主査、事務局:外務省国別協力第1課・松岡事務官)が連携しつつ作業を進める。
(2)現地ODAタスクフォースでは、国別援助計画の改定に当たって通常業務の枠組みを最大限に活用することにより、国別援助計画が実施と通常業務において円滑に実施される体制を構築する。東京国別援助計画タスクフォースでは、バングラデシュの開発問題に知見を有する各方面の組織・人材との連携を促進し、国別援助計画の改定とその後の実施に生かす。
(3)作業の進行状況は、可能な限り公開し、多くの関係者の知見を反映するよう努める。
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[東京国別援助計画タスクフォース]
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(主査) |
山形辰史 |
: |
JETROアジア経済研究所 |
(アドバイザー) |
浅沼信爾 |
: |
一橋大学大学院教授、ODA総合戦略会議委員 |
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大橋正明 |
: |
恵泉女学園大学教授、シャプラニール代表理事 |
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村山真弓 |
: |
JETROアジア経済研究所 |
(事務局) |
和田充広 |
: |
外務省経済協力局国別開発協力第1課長 |
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寒川富士夫 |
: |
外務省経済協力局国別開発協力第1課企画官 |
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松岡彰博 |
: |
外務省経済協力局国別開発協力第1課事務官 |
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坂本隆 |
: |
JICAアジア第2部長 |
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内田淳 |
: |
JICAアジア第2部南西アジアチーム |
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大西靖典 |
: |
JBIC開発第2部次長 |
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木村知之 |
: |
JBIC開発第2部第3班課長 他 |
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[現地ODAタスクフォース]
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(大使館) |
堀口松城 |
: |
大使 |
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宇喜多秀俊 |
: |
公使 |
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紀谷昌彦 |
: |
参事官(経済協力・経済班長) |
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加山美鶴 |
: |
専門調査員 他 |
(JICA) |
新井明男 |
: |
事務所長 |
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河崎充良 |
: |
事務所次長 |
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萩原烈 |
: |
企画調整員 他 |
(JBIC) |
天田聖 |
: |
首席駐在員 |
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永井進介 |
: |
駐在員 |
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木村純子 |
: |
コンサルタント |
(JETRO) |
西川壮太郎 |
: |
事務所長 |
4.作業予定(案)
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(2004年)
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6月 |
現地ODAタスクフォースでのブレインストーミング会合
(以後、現地ODAタスクフォース会合は随時開催) |
10月 |
第1回現地協議(改定作業の方針に関する議論) |
11月 |
東京タスクフォース会合(改定作業の方針・骨子案の検討)
ODA総合戦略会議における当初報告(改定作業の方針・骨子案)→公表/意見募集
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12月 |
現地における一次案(主要項目毎の概要)の作成
東京タスクフォース会合(一次案の検討) |
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(2005年)
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1月 |
第2回現地協議(一次案に関する議論)
東京タスクフォース会合(一次案の修正)
関係省庁・実施機関との協議(一次案の合議) |
2月 |
ODA総合戦略会議における中間報告(一次案)→公表/意見募集 |
3月 |
現地における二次案(詳細案)の作成 |
4月 |
第3回現地協議(二次案に関する議論)
東京タスクフォース会合(二次案の修正)
関係省庁・実施機関との協議(二次案の合議) |
5月 |
二次案の公表/意見募集
最終案作成、各省合議 |
6月 |
最終案をODA総合戦略会議に提出、対外経済関係閣僚会議で決定
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(以上)
平成16年11月8日
バングラデシュ国別援助計画(骨子案)
-東京・現地タスクフォースでの議論を踏まえて-
山形辰史:東京タスクフォース主査
はじめに (現状把握と発展のビジョン)
- バングラデシュは成長を続ける最貧国である。(バングラデシュの二面的理解)
- 成長基盤をより安定・拡大させると共に、人間の安全保障/社会開発が必要とされる。
- 成長および人間の安全保障/社会開発の両者を達成するためにバングラデシュ政府のコミットメントとガバナンスの改善が求められる。
1.理念・目的、(または)バングラデシュと日本
(1)日本と友好関係にあるアジア最大の最貧国の貧困削減・成長と自立促進
(2)外交面での協力の基盤形成(南アジア、穏健イスラム、途上国グループ)
(3)潜在的な貿易・投資先(東南アジアと南アジアの接点)
2.バングラデシュの開発を巡る状況
(1)現状と課題(概況、経済成長、社会開発、ガバナンス)
(2)バングラデシュにおける開発への取り組み(中長期的視点から評価)
(イ)バングラデシュ政府
(ロ)我が国(これまでの援助の評価を踏まえて書く)
(ハ)他ドナー・NGO
(二)開発パートナーシップの進展
3.援助方針
(1)基本方針(自助努力支援と開発パートナーシップ推進)
(2)重点目標・セクター
(イ)重点目標:要検討。例:経済成長、人間の安全保障/社会開発、ガバナンス
(ロ)重点セクター:要検討。例:民間セクター開発、運輸、電力、ICT、観光、農業・農村開発、教育、保健、砒素、都市環境、災害対策、ガバナンス(行政改革、警察支援、地方行政、セクター改革)[順不同]。
(3)配慮すべき事
(イ)国別援助計画のもとでの目標・セクター別の政策立案・実施体制
(ロ)モニタリング・評価体制
(以上)