(資料6)
平成16年5月
外 務 省
1.円借款の概要
(1)2003年4月から2004年4月までに円借款供与を決定した国は12ヵ国。
(2)円借款供与総額は5,576億9,200万円(交換公文ベース)。
(3)地域別では、アジア向けが約81%、中近東向けが約12%。
2.経済・財政状況の検討
円借款供与を決定した国には、次に示すとおり、経済・財政状況に特段の問題は見られなかった。
(1)経済状況
2001年にはマケドニアとトルコがマイナス成長であったが、両国とも2002年にプラスに転じており、2002年以降マイナス成長を記録している国はない。2003年、2004年も、多くの国は順調に経済成長していくと見込まれている。インフレ率はトルコ、ブラジル及びインドネシアで高くなっているが、2002年度以降は下方傾向にある。その他の国においては概ね5%を切る水準となっている。
(2)財政状況
財政状況に関しては、多くの国で財政赤字の状況にあり、今後も動向を十分注視していく必要がある。しかし、IMF等と十分に協議を行いつつ歳入の確保や歳出の見直し等の財政改革を進めており、財政状況が改善している国が多い。
(3)債務状況
供与国の中でインドネシア、トルコ、ブラジルの債務残高と債務支払に関する指標が比較的高いが、経済危機等に伴うインフレの発生や為替レートの下落等が大きく影響していたものとみられる。しかし、これらの国々においてはIMFとの協議を踏まえ、経済危機から抜け出すための改革等の取組が強化されており、着実な経済成長が見込まれている。
参考
【各国供与額】
インド |
1,250億400万円 |
ブラジル |
216億3,700万円 |
インドネシア |
1,046億3,400万円 |
エジプト |
215億1,300万円 |
中国 |
966億9,200万円 |
ケニア |
105億5,400万円 |
ベトナム |
793億3,000万円 |
マケドニア |
96億8,900万円 |
タイ |
448億5,200万円 |
モロッコ |
89億3,500万円 |
トルコ |
268億2,600万円 |
チュニジア |
80億2,600万円 |