外務省では、平成15年7月9日に「政府開発援助大綱(案)」を公表し、同日から8月8日までの間、広く国民の皆様からご意見を募集しました。その結果、合計204件のご意見を頂きました。また、大阪(7月20日)、東京(7月21日)、福岡(8月2日)で開催した公聴会でも多くのご意見を頂きました。頂いた主なご意見の概要及び外務省の考え方を下記のとおりとりまとめましたので、公表いたします。
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全体的に長すぎる。基本方針も重点課題も3つ程度に絞る。 |
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ODAは「政府開発援助」ではなく、「公的開発援助」とすべきである。 |
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内容は評価できるが、大綱の内容と実施のギャップをなくすべく行動していくことが求められる。 |
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書き方が抽象的、あいまいでよくわからない。 |
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全体のトーンが現在日本が置かれている政治・経済の逼迫状況が反映されず、状況分析に止まっており積極的なトーンが感じられない。
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「国益」、「国民」、「我が国」という言葉は戦争中の経験を想起させるのでやめて欲しい。 |
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専門用語の使用はなるべく避けて一般国民が理解しやすい平易な言葉で表現すべきである。 |
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ODA大綱の見直しは、現大綱の包括的な評価を実施した上で、ODA基本法の策定の是非も含め、幅広い市民参加の上で決定するべきである。
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見直しの背景が不明である。 |
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大綱では不十分であり、ODA基本法をつくる必要がある。 |
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幅広い国民参加の促進を謳ってはいるものの、その熱意が伝わってこない。また、基本方針及び重点地域において重要箇所がわかりにくい。重要な語句の文字サイズを変えるなど書き方を工夫してはどうか。 |
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もっともなことが書かれてあり、原則的には賛成する。 |
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ODAの目的として「国益」や「我が国の安全と繁栄」は盛り込むべきではない。 |
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今回の大綱(案)は、極めて狭い意味で捉えられた日本の「国益」なるものが全体を支配していて、非常に格調が低い。 |
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我が国ODAの目的は、「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資することである」は、「国際社会の平和と発展に貢献する。これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資する」とすべきである。 |
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国益のためにODAを積極的に活用するとの姿勢をより強調するため「我が国ODAの目的は、国際社会の平和と発展に貢献するとともに、我が国の安全と繁栄の確保に資することである」とすべきである。 |
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冒頭の一行は、「日本のODAの目的は、日本の安全と生存が国際社会の平和と欠乏からの自由のうちにのみ存するとの自覚のもとに、国際社会の平和と発展に寄与することである」とすべきである。 |
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「日本の国益に沿った援助」という考え方ではなく、地球規模の課題(貧困や人権、環境保全)を解決すること、国際的合意に向けて貧しい国の人たちを優先的に援助していくこと、被援助国の人々が何を望むかという観点から出発することが重要。「日本の国益」より「世界の安全と安定」、「貧富の格差、自由、人権、民主主義、環境問題、ジェンダーなど普遍的な課題解決」、「資源消費大国としての責務」を挙げる。 |
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目的の一番の中心は、日本国憲法の精神にのっとり、全世界の国民が等しく恐怖と欠乏から免かれ、平和の内に生存する権利を保障することである。
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ODAは外交手段ではなく、国際的公共福祉政策である。 |
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ODAの目的として国益を先ず掲げるべきである。ODAの目的は国益を守るため、その手段として国際貢献をすることである。 |
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ODAは日本の国益すなわち納税者である国民の広い利益を見据えた戦略的なものであるべきである。特に、国内資源に乏しい貿易立国である我が国が今後も安定的に生存、繁栄していくためには、世界経済の安定と繁栄、日本と各国の友好関係の維持、発展は勿論、さらには貿易投資等の経済活動をさらに増進することが重要である。 |
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冒頭部分で、「我が国の安全と繁栄の確保に資する」と表現することにより、国益を強調している点を非常に高く評価する。 |
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国益は確かに重要であるが、目先の小さな国益ではなく、もっと長期的視点に立った国際社会で信頼を得るということが重要である。国益については、長期的・短期的スタンス、直接的・間接的国益に分けて考えることが大切である。 |
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「普遍的な価値」も重要であり、国益ばかりではないが、国益も十分考える必要がある。 |
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「我が国の安全と繁栄」というより、「我が国の長期的安全保障の強化、持続的経済連携の基盤の維持」などと書くべきである。 |
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ODAには外交と国際社会の平和と発展という目的があるので「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じ国際協調を前提に我が国の安全と繁栄に資すること」とすべきである。
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ODAの目的は開発ではなく、食糧援助と人道的支援とすべきである。 |
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ODAの目的に人道的な援助を追加して欲しい。 |
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国際協調を重視しているのはよいが、その分日本の国益重視の観点が弱い。 |
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ODAをもっと戦略的に使うよう全面的な見直しを求める。 |
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ODAの目的として、(1)社会的・経済的に最も弱い立場にある人々の生活改善と自立に役立ち、各国が互いに自立した関係を構築すること、(2)リオ原則に則った持続可能な開発を達成すること、(3)国際社会の平和と発展に貢献すること、の3点が明記されるべきである。 |
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日本の援助はほぼ有償資金援助であり、他の人が借りたお金で自国の利益を望むのはおかしい。よって、「わが国の安全と繁栄の確保・・・」箇所は削除すべきである。 |
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従来のODAを振り返り、反省の視点を入れてはどうか。よって、「これまで我が国は、アジアにおいて・・・大きく貢献してきた」の部分を変更もしくは、削除してはどうか。 |
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理念に「これまでやってきたから」とか「先進国になった経験」というのは理念としての説明になっておらず、おこがましく自惚れが感じられる。
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大綱が発信するメッセージ性を考えると、「我が国の安全と繁栄の確保に資すること」から「世界の安全と繁栄の」にした方がいいと考える。
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人道と教育に関する支援を重点化して欲しい。 |
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経済拡大の事ばかりで、少数民族や先住民の環境に根ざした自給自足生活の支援の観点がない。 |
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過去のODAから反省点を見つけ、国益追求ではなく、途上国の人々が望まないような援助をしない姿勢を出すべきである。
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今回も日本政府は「国益重視」の方針を打ち出しているようだが、「真の国益とは何か?」を、ともに考えていきたいと思う。
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国益確保の具体的な方法としては、先ずODAの国際的枠組み作りに積極的に参加し日本が主要なプレーヤーになれるような枠組みを作ることであり、次のその枠組みの中での具体的なプロジェクト選定に際し日本の企業やコンサルタント、NGO等が主要な役割を果たせるような案件を選定していくということである。 |
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貧困、飢餓、男女の格差等が貧富の格差や民族的・宗教的対立等を背景として生じることを明確にすべきである。 |
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ミレニアム開発目標について言及すべきである。 |
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何が我が国の優れた技術であるのかについて、例えば、環境技術や環境経営など具体的にする必要がある。 |
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「我が国が有する優れた技術、知見、人材及び制度を活用する」とあるが、それが必ずしも現地にとって最適なものとは限らず、現地の主体性を重視するとの観点から、同部分は修正するか削除すべきである。 |
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現下の経済状況の下では、日本のODAにより対日輸出の増進が図れるような援助こそ大切である。 |
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癒着を避けるべきであるが、特定企業の持つ良い技術やシステムを積極的に利用する態勢を持つべきである。 |
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「政策全般の整合性を確保する」とあるが、関係する省庁の利益になる案件を強要して、不況業界救援のためのODAというものが露骨になることを懸念する。 |
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「さらに、ODAの実施にあたっては、我が国の経済・社会との関連に配慮しつつ、我が国の重要な政策との連携を図り、政策全般の整合性を確保する。」の部分は、我が国の利益優先を助長し、途上国の環境を破壊し、住民の生活を圧迫することにつながるので削除又は修正すべきである。 |
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環境問題などについて、我が国の政策や経済活動をトータルにみて判断してODA以外の政策の整合性を考えるべきである。 |
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我が国が有する優れた技術、知見、人材及び制度を活用する点を述べていることについては大いに賛成である。 |
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我が国の知見を活用するとは謳っているものの、実際にそれが行われているかは疑わしい。より積極的に、ODAでは日本の製品を使用すべきである。 |
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お金を直接与えてしまうのでなく日本製品を届けることで不況の日本の製造業にも良好な影響を与える。日本の利益と相手国の利益が一致する方法をとることを提言したい。
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「知的財産権の保護」に関し、途上国の資源の開発主権の保護(尊重)を記述すべきである。 |
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知的財産権保護が行き過ぎると難病治療薬の入手の問題や多国籍企業への途上国の在来技術の財産権移転の問題等が生じる懸念もあり、慎重に対応する必要がある。 |
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環境を破壊する大型土建事業ではなく、食糧援助などの人道的援助や地域で活動するNGOへの援助としてお金を使うべきである。 |
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「また、我が国ODAと開発途上国の開発に大きな影響を有する貿易や投資が有機的連関を保ちつつ実施され、総体として開発途上国の発展を促進するよう努める。このため、我が国ODAと貿易保険や輸出入金融等ODA以外の資金の流れとの連携の強化にも努めるとともに、民間の活力や資金を十分に活用しつつ、民間経済協力の推進を図る。」の部分は、我が国の利益優先を助長し、途上国の環境を破壊し、住民の生活を圧迫することにつながるので削除又は修正すべきである。 |
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我が国はODAも民間企業もアジアの経済発展のために人材育成に協力してきてきており、アジアの繁栄を通じて、結果として我が国にもつながるという点を重視すべきである。 |
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「民間経済協力の推進を図る」は、「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)による民間経済協力の推進を図る」とすべきである。 |
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経済協力にふさわしい事業と判断した場合には、(1)民間金融機関の貸付に対して保証および利子補給する制度及び(2)公債・社債に対しては保証および一部買い取りする制度を確立する。
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インフラ整備、政策立案、制度整備、人づくりなどは、アジアの経験を生かして我が国援助の中心とし、特色ある分野として推進すると断言した方が分かり易いと考える。 |
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我が国の技術やノウハウの優位性を発揮しうる分野、あるいは途上国に膨大な開発需要があり我が国に多大な実績と高い評価がある経済インフラ等を引き続き重点的に取り組むべきである。 |
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本項は、国際社会の課題とは異なるため全て削除すべきである。 |
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開発途上国が目指すモデルとして、日本型の経済発展を掲げることは問題である。 |
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途上国の「持続的成長を支援するため、経済活動上重要となる経済社会基盤の整備とともに、政策立案、制度整備や人づくりへの協力も重視」すること、後段部分で「民間の活力や資金を十分活用しつつ、民間経済協力の推進を図る」ことが述べられていることを評価するとともに、その着実な実行に期待する。 |
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ITの推進は重要である。
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ODAによる大幅な国費留学生の増員と、途上国における我が国からの教員の派遣による日本語教育の振興をはかり、この資金に「緒方貞子奨学資金」と名付ける事を提案する。
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持続的成長を支える人づくりという観点から、職業訓練の重要性にも言及していただきたい。 |
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平和構築については、日本がもっと広い意味での国際平和活動に取り組むのかというビジョンをきちんと示して、その中で途上国への支援について何をすべきかということを示す。この点、第一文を「国際社会から武力紛争を根本的になくすために、軍縮や武器輸出のコントロール、国連など国際機関の強化などの活動と整合性を図りつつ、開発途上地域における紛争を予防するためにODAを活用する」と書き換えるべきである。 |
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他の部分と比べて記述が細かく、バランスを欠いている。 |
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平和構築については、ともすれば紛争地への介入が懸念されるような文言が入っており、そのようなものは削除すべきである。 |
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平和構築への支援が戦争協力であってはならず、平和憲法の精神に則って絶対的な平和主義、あるいは戦争への協力を一切しないことを明記すべきである。 |
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「平和構築」を重点分野とするのは、自衛隊派遣の推進力としての役割、及び紛争の増大に伴う復興利益の増大をねらったもの、また紛争に対する事後対応という印象を受ける。 |
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平和研究への支援についても言及すべきである。 |
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ODA資金が自衛隊関係に使われる可能性、人権侵害を引き起こす可能性を憂慮する。 |
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ODAによる自衛隊の派遣を明記すべきである。 |
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紛争前中後における支援は、政治的中立性の確保が困難となる可能性やODA実施に際する武器使用及びODAと軍隊・自衛隊の密接な連携関係が促進される可能性があり、ODA大綱における「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する」とする原則を逸脱する恐れがあることから、ODAの重点課題として掲げるのは不適切である。 |
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和平プロセスにODAを使用するのはおかしい。真に平和構築を考えるのであれば、BHN(基礎生活分野)により力を入れるべきである。よって、「具体的には・・」のパラグラフは削除すべきである。 |
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平和構築の名の下に行われる援助は、一部の国々に都合よく利用される危険性を常にはらんでおり、国際機関の承認と関与を必要とする旨明記すべきである。 |
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アジア重視は妥当であろうが、その論拠(資源、市場等)を明らかにすべきである。 |
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戦略的に重点化を図るとあるが、何の重点化を図るのかが不明確なので「戦略的に援助分野、援助対象国の重点化を図る」とすべきである。 |
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「東アジア地域」にASEANは入るのか。本来の東アジア地域である中国についてどうするのかはっきりさせるべきである。 |
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アジア重視の姿勢は、日本の依って立つアジア地域からのメッセージとして、すなわち日本の国益が明示的にアジアにあるというメッセージを世界に発信する上で重要である。
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ASEAN地域については、金融、投資、貿易、情報・通信、観光振興等の経済関係さらには文化面、安全保障面も考慮し、ODAもそのような多角的関係の中に位置付けられた包括的アプローチをとるべきである。
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重点地域として北東アジア地域に言及し、外交のない北朝鮮についても、平和の構築のために方針を盛り込む。
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アジア重視に賛成。アフリカ、中南米に対する援助は見直すべきである。
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日本と緊密な関係を有し、日本の安全と繁栄に大きな影響を及ぼしうる東アジアを重点地域とするとともに、経済連携強化等を十分に考慮し、ODAを活用するといった従来の大綱と比べ我が国ODAを戦略的に活用する姿勢があらわれており、その方向性を維持すべきである。
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アジア重視は狭い国益主義が端的に表れている部分であるので、削除するべきである。重点地域は困窮度の高い地域(サハラ以南アフリカや南アジア等)に置く。
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アフリカの問題は世界の問題として捉えるべきであり、アジア重視に傾くことは必ずしもうまくいかない。アフリカ諸国などLLDCへの援助にもう少し力を入れてもいいのではないか。 |
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東南アジアを最重点国、周辺アジア諸国と大洋州諸国を重点国、アフリカ、中南米及びその他の地域を全体地域として重点とそうでない地域の線引きを明確化すべきである。 |
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ODAは国単位の開発支援ばかりでなく、国境を越えた地域開発の援助もODAの対象とすべきである。 |
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重点地域の焦点が拡散している。戦略的に重点化を図るのであれば、アジアと中東に重点を置き、その他の地域は他の先進諸国との国際連携を密にし、補完的な役割を果たすという姿勢に徹するといった記述の方がいいのではないか。
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ラテンアメリカ諸国の人々は日本の援助に感謝の気持ちなど全く持っておらず、援助漬けなのでODAをしても無駄である。
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主権、平等及び内政不干渉は重要な要素である。 |
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大綱の運用基準、実施基準を公開して、どういう運用をしたかという結果を白書などを通じて説明すべきである。 |
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冒頭に、「この総合的判断は、透明性と説明責任(アカウンタビリティ)の原則に基づいてなされるものとする」という文言を追加すべきである。 |
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本項目はあまりにも政治が優先している印象が強い。ODAなのだから政経分離が必要である。 |
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日本の国益に反する事項は援助禁止条項として大綱に詳細に明示すべきである。 |
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原則は目的に次いで2番目に置くべきである。
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途上国がみずから問題解決を試みていく真のオーナーシップが重要であり、安易に途上国の政治や経済に介入しないよう国連憲章の諸原則等を挙げているが、この直接的に安易に介入しない姿勢を貫いていただきたい。 |
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環境と開発は本当に両立するのだろうか。開発とは環境破壊そのもののように思える。 |
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(1)に「この方策のひとつとして、環境影響評価を適切に実施・反映させ、適切な環境社会配慮が実施されない場合は、融資等の停止・中止を行う」という記述を含めるべきである。 |
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軍事的用途への転用がないことをどう確認するのか。 |
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軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発製造、武器の輸出入に十分注意を払う点については、実効性が問題になっている。 |
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軍事支出、大量破壊兵器・ミサイルの開発製造、武器の輸出入については、「十分注意」を払うでは不十分であり、「そうした国に対しては一切の支援を中止する」とすべきである。「十分注意」ではなく、「援助がそれを悪化させないように確保する」など評価が可能な文言とすべきである。 |
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ODAの供与に当たっては、相手国の「軍事支出等の動向に注意を払い」、「民主化の促進、基本的人権及び自由の保障状況に注意を払う」だけでなく、我が国の安全と繁栄に脅威を与える国には供与しないことを明記すべきである。 |
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「核兵器などの大量破壊兵器や我が国に届くミサイルを保有している国にはODAを実施しない」、「我が国に内政干渉を行う国にはODAを実施しない」と明記した文を挿入する。 |
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ODA大綱の中で兵器輸出抑制の国際協調の姿勢を明示的に主張すべきである。 |
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原則において、大量破壊兵器を保有している国に対し、それを即座に廃棄するよう働きかける旨明記すべきである。 |
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(3)の文頭の「テロや大量破壊兵器の拡散を防止するなど」は先進国側の一方的な見方であり削除すべきである。 |
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(4)の基本的人権の拡大や、自由の保障を促進させるとする。また、「開発途上国の文化、伝統、生活習慣を最大限に考慮しつつ」を追加する。
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民主化の促進、市場経済導入の努力、基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払う点は重要であるが、これがODAの制約条件になることは問題である。 |
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外務省はODA供与対象国について、以下を厳格に適用する。1)対外援助をしている余裕のある国、2)教育に反日的内容を含む国、3)日本が援助していることを隠そうとする国、4)軍事力を拡張している国、5)国際問題で日本の国益に反対する国等。ただし、政府首脳が日本の国益上特別に重要と判断した場合、緊急的な場合に限り特別供与は可。これらに該当する国はODAを原則非対象国とすべき毎年見直すこと。さらに、国別対前年実績主義を廃し、毎年積み上げ方式とする。
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少なくとも、国民に弾圧と隷属の苦しみを強いる軍事政権や独裁者に荷担すべきではない。 |
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我が国の財政状況や景気動向についても盛り込むべきである。 |
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原則の一つとしてODAによる開発の主体は受取国の地域住民であることを明記すべきである。 |
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(5)として、開発援助により、人間の尊厳が損なわれることを回避する旨追加すべきである。また、「ODAに関する提言、質問は文書化する」を追加して、特定の政治家や団体の介入が行われないように、援助政策の立案の公平性、透明性を確保する必要がある。 |
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国別援助計画はまだ非常に少ないようだが、その早急な策定を義務づけるべきである。 |
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国別援助計画については、できるだけ多くの被援助国について、分野、地域、規模、年次等に関して具体性を持たせたものを作成すべきである。 |
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ODAの効率性、パフォーマンス向上に重要なのは、国別援助政策立案プロセスであり、如何に各途上国の実情を正確に把握し、将来の援助政策立案に能力を発揮できる専門家の参加を実現するかが重要である。 |
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要請主義の見直しに関連して、日本の貿易や投資を促進するために政策対話を強化することには反対する。 |
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ODA援助にあたっては、要請主義と提案主義の両方を併用すべきである。 |
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被援助国の優先順位付けベースによる支援は再考すべきではないか。開発途上国の開発政策と我が国の援助政策の調整を図る必要があると考えられる。 |
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政策協議については、「我が国の援助方針を開発途上国に示す」ことに記述のスコープが偏っており、相手国からの要請・考え方を十分勘案しつつ、開発政策等の基本認識を相手国との間で共有するため、密接な政策対話を推進することを明記すべきである。 |
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政策協議の強化のところの「案件の形成、実施の面も含めて」の意味が良く分からない。
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ソフト面で日本は何ができるのかについて、制度面も含め、議論を深める。これまでソフト面の比重が少なかったので、人が関わるようなODAをもっと実施する。技術協力をより少ない金額及び人員で効果的成果を上げるようにすべきである。 |
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「政策協議の強化」の項において、「開発途上国から要請を受ける前から政策協議を活発に行う」ことには大いに期待する。 |
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援助庁のようなものが必要である。 |
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対外経済協力関係閣僚会議の中に豊富な経験・知見を有する民間有識者を交え、同会議の抜本的な改革を行うべきである。
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官邸主導の政策調整を強化し、そこから権限を付与された形で外交を担当する外務省が実際に多数の関係省庁を調整するという体制がとられる必要がある。 |
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スキーム連携はもう記述する必要は無い。 |
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我が国の援助スキームは、現在、一式総価請負契約(Lump-sum contract)を原則としているが、緊急支援プロジェクトの発注や不定形の調査業務等に柔軟に対応するため、ODA執行スキームの多様化を図るべきである。 |
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JICAやJBICがもう少し独自に援助を実施できるようなメカニズムが必要である。 |
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ODA改革を真に実施するためには、それを可能とする仕組みとして責任と権限の一元化を図るべきであり、ODA実施機関への権限委譲も積極的に進めるべきである。 |
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JBICとJICAを合併し、スリム化すべきである。 |
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人事交流が、各省庁の権益強化や天下りを助長するようなものになってはならない。人事交流ばかりが強調されているが、その背景が一般国民にはわかりにくい。 |
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NGO、NPO等を介して確実にその国の市民レベルのニーズを掴む。相手国の政府指導者ではなく、その国で真面目に生きている国民の目線で考えるべきである。 |
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案件の中身ができるまで、現地で全ての関係者を含めてじっくり調整するようにすべきである。
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NGO支援スキームの手続きの迅速化、NGOの体質強化、NGO支援におけるソフト面での支援への政策転換等を行い、NGOを通じた援助を増やすべきである。 |
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海外で活躍するNGOに対する財政支援を充実すべきである。 |
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地方公共団体が、より積極的に国際協力事業に参加できるよう、地方公共団体をODAの実施主体の一つとしてODA大綱において位置付けるべきである。
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地方公共団体との連携を強調するため「さらに参加主体を多様化し充実するため、協力主体別に援助体制を研究発展させ、国民参加型援助の拡大推進を図る」などの記述を加えるべきである。 |
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ODAの企画、立案、評価、実施の各段階において国民の多くがその過程に参画していくことが重要である。 |
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生活面も含めて援助関係者が海外で安心して活躍できる環境づくりを行っていただきたい。
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国民参加型のODAを推進させるため、コンサルタントを含む民間企業に蓄積された専門的技術およびノウハウを有効活用すべきである。 |
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ODAの実施に当たっては政府及び実施機関による直接的関与の他にNGO、地方公共団体、企業、大学、研究機関等を積極的に活用し、更にこれら主体が自ら有する資源を動員できるような体制にすることが重要である。このようにODAが国民参加型の、いわばオールジャパン体制で推進されれば、ODAに対する国民の共感も広がり、難しくなりつつあるODAの予算確保にもつながっていくと思われる。
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援助の受け手である住民の存在が無視されている。援助の立案プロセスへの地域住民の参画や直接対話、地域住民への情報提供を記述すべきである。 |
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現地機能の強化に関しては、民間OBで知見を有する人材を積極的に活用すれば、さらに効果が上がると思われる。 |
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現地機能の強化については、量的強化もさることながら、質的向上が必要である。 |
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「対話を通じて我が国の援助が十分活用されるよう、開発途上国の開発政策と我が国の援助政策の調整を図る」ことも重要であり、このため「現地機能の強化」が挙げられたことを高く評価する。 |
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ODAの改善のためには、外務省の情報収集能力の向上が欠かせないと考える。 |
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現地において大使館、実施機関事務所等が一体となってというのは趣旨としては分かるが、「渾然一体となって」はいけないと思う。むしろ、大使館、実施機関事務所のそれぞれの役割、責任を明確にしつつ、それぞれの機能に応じた取組を行うといった記述が適当である。 |
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技術協力のカウンターパートの選定にあたっては、相手国政府の推薦する人材を登用する傾向が強く、新たな人材発掘の努力が途絶えることがある。現地の主たる事務所に人材発掘を担当する役員を配置することが望ましいと考える。
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(6)の関係者の中に「各種協会」、「学術団体」も入れて頂きたい。 |
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「異議申し立て制度」を設けるべきである。 |
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援助政策の立案において、知的支援分野における技術や経験を豊富に有する政府系実施機関(日本政策投資銀行、日本貿易振興会、アジア経済研究所等)との連携も重視し、ODA実施機関として位置付けることを提案する。 |
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(5)に関して、Co-working systemの構築を提案したい。同システムは、日本人と現地の人がペアでチームを組み、ある一定地域での援助需要の情報収集や開発政策への助言にあたるシステムである。 |
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各省庁に分かれている実施機関を一本化し、政府閣僚、国会議員、民間有識者をメンバーとする実行委員会を設立すべきである。そして、そこで計画立案実行やその見直しが行われるようにすべきである。 |
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現在の援助体制では、客観的かつ公平な支援計画を策定するのは難しい。その充実を図るには、人員、人材育成や研究に対する予算の確保、途上国経験で実際に地域計画等を担当した実務者のOBを起用するなどし、支援対象国の市民の見地から計画が作成される必要がある。
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開発教育については、ODA理解促進のための教育ではなく、我々の側の国際協力のあり方など問題点も含め、南北問題の解決のためにどう行動するべきかについての教育とする。 |
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情報公開と広報は項目を分け、情報公開の項目において、「現地語への翻訳など住民への情報公開を確保すること」を明記すべきである。 |
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予算使途などODAに関する情報公開を進めるべきである。 |
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運用実績、特に財政投融資制度における郵貯、簡保、年金基金等の運用実績と今後の収支計画の情報公開を求める。
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日本国民と被援助国が日本の援助を正しく理解するための広報活動の強化を望む。 |
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(4)については、途上国だけではなく、先進諸国に対しても我が国のODA政策に関する情報をより重点的に発信することで日本の立場が理解され、強化されるのではないかと考える。 |
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納税者である在日外国人等の参加を排除しないよう、「国民参加の拡大」ではなく、「内外の理解と支持を得るための方策」とすべきである。 |
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商社他、民間企業に企画と実行を丸投げせずに外務省が主体的に実施すべきである。 |
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援助において、極力途上国国民の人材活用を図り、その国の人材育成を心がけてほしい。また、日本と援助国の民間人活用を視野に入れた支援の調査を外務省員が直接行うよう希望する。 |
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「人材育成と開発研究」の項で、「海外での豊かな経験や優れた知識を有する者などの質の高い人材を幅広く求めてODAに活用する」ことが打ち出されたことを高く評価する。 |
以上の他、政府開発援助大綱(案)そのものの修文を求めるものではありませんでしたが、厳しい財政状況の下、ODAそのものを考え直すべきである(国内に回すべき等)との意見をいただいたほか、対中ODAについては、見直し又は廃止すべきとの多くの意見が寄せられました。また、対ミャンマーODAについても批判的な意見がありました。