11月27日、平成21年度第五回無償資金協力実施適正会議が開催されたところ、主なやりとり以下のとおり(出席者別添1、議題別添2)。
(委員)
国際橋梁建設計画について、前回の同会議においてもご説明頂いたと記憶しているが、再度閣議請議を行うということか。農道整備計画について、向こう5年間で1,500キロメートルの整備を予定しているようであるが、実施可能なのか。上水道施設整備計画について、各家庭まで配水管の整備はどうなっているのか。未整備である場合、配水管の整備は我が方負担か、それとも先方政府負担事項か。
(外務省)
国際橋梁建設計画について、10月の閣議請議に向けた準備を進めていたところであったが、二カ国にまたがる本案件の実施に必要となる文書の両国間合意取り付けに時間を要し、同月の閣議請議に間に合わなかった。農道整備計画については、地方の簡易道路を整備する案件であるが、複数の道路を同時並行的に作業する計画となっている。上水道整備計画の配水管の整備状況について、事前の調査においては、現状で相当部分が使用可能であり、他方、配水が不足していることから浄水場の整備を行う計画である。
(委員)
給水機材整備計画について、井戸一本当たりの単価はどの程度なのか。コミュニティ開発支援無償資金協力のスキームでは実施できないのか。
(外務省)
同計画は、井戸掘削機等の給水施設を整備するために必要な機材を供与する内容となっており、日本側が個々の井戸掘削を行うものではなく、実際には先方政府が策定する計画・予算の下で施設整備がなされる。給水施設整備案件において、現地仕様・設計に基づく施工、現地業者を積極的に活用するコミュニティ開発支援無償資金協力の適用を検討する際には、後に砒素が検出される等の問題が生じないよう、計画対象地域の地質や水質に着目して、工事の難易度、現地業者の実施能力など慎重な対応が必要である。
(委員)
橋梁の架け替えを行う計画について、本計画の効果として通過する車両の時速が10キロメートルから60キロメートルとなる由であるが、これは車両の流れがスムーズになるということであり、本計画の主要な効果なのか。
(外務省・JICA)
ご指摘のとおり、本計画は主要幹線道路の物流が円滑化することによる経済効果を期待するものである。効果指標については今後一層定量的な分かり易いものとなるようにしていきたい。
(委員)
案件毎を見ると有機的なつながりがみえにくい。例えば中国の孔子学院のようにシステマティックにやった方がよいのでないか。
(外務省)
日本語については、国際交流基金が教材提供、専門家派遣等実施しており、文化無償もそういった拠点にこれまでLL機材等の整備を実施するなど、連携している。今後も国際交流基金やJICA事業などとの連携強化を図るとともに、これらの取組について具体的な説明をしていきたい。
(委員)
ODA大綱及び各種外交政策と個別案件との関係については、選定方法を明確にし、評価をしっかりとやっていけば、より明確なつながりが出てくるのではないか。また、タイド・アンタイドの議論については、競争の幅を広げることでより多くの学校が作れるのであればそれで良い、という考え方も理解できる。
(委員)
無償資金協力の事業においては、日本人が監督者として現場に入り、現地の人々を雇用して各種アドバイスを行えば、日本の技術も伝承でき、有意義であると考える。
(外務省)
無償資金協力は、日本企業の技術や知見を活用しており、実施過程でプロジェクトに携わる相手国の人々との協力を通じた技術移転という効果もあり、「顔の見える援助」として途上国側から高く評価されている。他方、事業仕分けでなされた評価結果については重く受け止め、いかなる対応が可能か検討を始めている。また、コミュニティ開発支援無償の活用が推奨されているが、同スキームによる事業について問題点がないわけではなく、更に改善を図っていく必要がある。
別添1
別添2
日時:平成21年11月27日(金曜日)12時00分~14時00分
場所:外務省 南886会議室
以上