10月20日、無償資金協力実施適正会議が開催されたところ、概要は以下のとおり(出席者別添1、議題別添2)。
(委員)
外務省の機構改革後における同会議の意義如何。
(外務省)
先に申し上げたとおり、無償資金協力の実施手続の透明性確保等の観点から、外部の有識者の方々との意見交換としての同会議の意義は引き続き重要であると考えている。
(委員)
開発協力総括課と、開発協力企画室及び事業管理室との関係はどうなっているのか。
(外務省)
開発協力総括課については予算及び経済協力の制度を担当しているのに対し、開発協力企画室は政策面を担当しており、両課室は、車の両輪の関係にある。これに加え、事業管理室は、主として事業の実施に係る制度の改善などを担当している部署である。
(委員)
重点方針の一つとして、アフガニスタン及びパキスタン支援が掲げられている。先般岡田外務大臣が現地を訪問されたところであるが、どのような分野で協力を進めていくのかといった具体的な支援の方針はどうか。安全性の確保が懸念される中、学校などの施設建設や専門家派遣といった市民の中に入っていく技術協力など、二国間協力の形では、支援が困難というのが現実ではないか。
(外務省)
いかなる支援が可能か現在検討しているところであり、早い段階で支援方針を打ち出す必要があるものと考える。
(委員)
今般の閣議請議案件について、他ドナーとの連携は図られているのか。
(外務省)
例えば、コンゴ民主共和国における道路改修計画については、コンゴ民主共和国政府が、ドナー間における調整を行っている。
(委員)
コンゴ民主共和国における同計画について、先方実施機関の維持管理能力を確認しているとの説明であるが、どの程度の維持管理能力を指すのか。
(外務省)
コンゴ民主共和国政府としても限られた予算の中で、必要な補修を行ってきている。しかし、耐用年数が過ぎ全面的な改修を行う必要が出てきているが、かかる大規模な改修を自助努力で行うことは困難な状況にあり、我が国に対し支援を求めてきたものである。
(委員)
食糧援助は、それ自体の必要性は判るが、当該国の自助努力を促すような支援の強化を図るべきではないか。
(外務省)
食糧援助だけではなく、生産能力の向上を図る他のスキームを組み合わせることによって、途上国の食糧生産能力を図っている。
(委員)
文化無償案件については、具体的にどのような効果が発現するのか不明なものがある。例えば、感染症対策など他の経済社会開発案件と比較し横断的に評価することが重要なのではないか。
(委員)
文化無償案件については、どのような評価をしているのか。他の無償案件と同様の評価ガイドラインを適用することは困難であれば、別途、文化無償向けの評価ガイドラインを検討すべきではないか。
(外務省)
広報・文化交流のツールとしての意義は大きいと考えており、可能な限り目に見える形で効果が発現するよう案件形成に努めている。文化無償の案件には、定量的な効果を算出することが困難な場合もあるが、評価については課題であると認識し、現在、ガイドラインを検討中であり、頂いたご指摘内容について検討させて頂きたい。
(委員)
ODAの選択と集中という観点から、欧米等の主要ドナー諸国においては、ガバナンスの悪い国々には支援を行わないというスタンスを取っている。予備的経費の導入はガバナンスの悪い国に対する円滑な支援も促し、国際潮流に逆行する結果とならないか。
(外務省)
予備的経費の導入は、汚職がはびこっている国々に対しこの制度を使って支援を行うということではない、あくまで行政能力が不足していることに起因する問題を含む予測できないリスクに対応するための措置である。
(JICA)
予備的経費については、FIDICの契約約款等国際的な契約においても一部予備的経費が認められている。
(委員)
我が国のコンサルタントや企業の事業参加を促すことの重要性は理解するも、入札手続きを日本企業以外にもオープンにしていけば、複数企業による競争入札が確保されるのではないか、との意見も出てくるであろう。
(注)予備的経費:交換公文締結後に発生した予め予測できない価格や工事数量の変動、治安などの予測できないリスクに対応する観点から、予め交換公文の供与限度額に「予備的経費」を算入し、必要額の支払いを行うもの。
別添1
別添2
日時:平成21年10月20日(火曜日)11時45分~13時45分
場所:外務省中央153会議室
以上