4月10日、無償資金協力実施適正会議(次回の無償一括閣議請議案件の事前説明等)が開催されたところ、主な概要以下のとおり(出席者別添1、議題別添2)。
(委員)
今般、人材育成支援無償(JDS)スキームにおいて新制度が導入されることとなった旨伺ったところであるが、具体的にどのような点に変更があったのか。学位を取ることだけではなく、より開発実務に役立つ分野を学ぶべきである。
(委員)
他の留学生スキーム(文科省国費留学生制度、JICA技術協力、留学生借款等)と調整する仕組みはあるのか、また対象国の選定基準は何か。途上国における人材育成は重要な課題であり、戦略的に取り組むべき。
(外務省)
新制度導入における主な変更点、スキーム間の調整に係る議論及びJDS参加者の帰国後のフォローアップを戦略的に実施する必要性について適宜説明。
(委員)
一般プロジェクト無償による給水案件については、一般的にコストが高いとの指摘があるが、直接工事費及び間接工事費に関するガイドラインはあるのか。また施設建設・機材供与とともにこれらを活用する(プロジェクト完工後の)現地従事者に対する人件費の支援は行っていないのか。
(外務省)
日本の無償資金協力においては、乾期に涸れ井戸となることを防ぐために十分な地質調査を行い、また水質調査もしっかりと行う結果、費用がかかってしまうことがある、また、自助努力を促す観点から(プロジェクト完工後の)現地人件費については支援していない旨説明。
(委員)
昨年度3月閣議においてエチオピアに対する井戸掘削機材等の供与について決定したと承知している。今年度4月閣議においてはエチオピアのオロミア州に対する給水施設の整備を支援するとのことであるが、両案件の関係について説明願いたい。
(外務省)
前者についてはエチオピア給水技術センター等が自ら井戸掘削を行えるよう関連機材を供与したものであるが、後者は先方政府の実施が技術的に困難な地域に対し給水施設の建設を支援するものである。
(委員)
カンボジア「ローレンチェリー頭首工改修計画」について、周辺の水路は整備されているのか。「第二次マリ-セネガル南回廊道路橋梁建設計画」について有償と無償との区分けはどのような考えによるものか。
(外務省)
カンボジアの案件について周辺水路は整備されている、また一般的な無償と有償との区分けについては、個別具体的な支援対象によって判断されるところであるが、一般的に緊急性の高いものは無償で行うケースが多い。
最近の入札不調に陥った案件の傾向を分析したところ、施設及び施設・機材混合案件が約8割を占め、案件が約8割であり、地域としてはアフリカ案件が多く、また10億円未満の案件が多いことが判明している。一部の業者から聴取したところによれば、継続的に案件が存在し有能な現地下請け業者を抱えておくことができるか否かが重要であり、アフリカ地域においては、現地で質の高い建設機材が入手困難で、初期投資がかかることが敬遠されている理由の一つとなっている由。JICA内部で入札不調の原因を更に分析し、対応策の検討を始めており、追って外務省にも相談させて頂きたいと考えている。
(委員)
自分は今回で2度目の同会議出席となるが、個別の案件について議論するだけではなく、スキーム自体の評価等、今後委員としてこの場でどのような貢献ができるのかを考えていきたい。
(委員)
今後は、新JICAによって手がけられた案件が閣議請議されていくものと思うが、いずれかのタイミングで各種制度改革の実施状況も含め委員に対し説明頂く機会を設けて頂きたい。
別添1
別添2
日時:平成21年4月10日(金曜日)12時00分~14時00分
場所:外務省南396会議室
以上