4月8日、無償資金協力実施適正会議(4月の無償一括閣議請議案件の事前説明等)が開催されたところ、概要以下のとおり(出席者別添1、議題別添2)。
(外務省)
(委員)
アフガニスタンのDIAG案件につき、ISAFが実施する軍事的な活動への協力となることはないのか。無償資金協力の原則との関連から、適切なデマケが確保されているのか。
(委員)
本件は、共通の基金に拠出するのか。
(外務省)
DIAGは、武装集団の自主的な武装解除を促進するための活動であり、軍事作戦とは異なるものである。本案件は、UNDPを通じた計画に資金を拠出するものであり、武装解除に応じた地方の軍閥民兵たちの非武装化のための登録、社会復帰までを全面的にカバーするための経費として使用する。DIAG活動のオーナーシップはアフガン政府に移りつつあり、今後、内務省対テロ局におけるDIAG・銃器登録・民間警備会社登録の担当課(DIAG課)が設立されることとなっているが、今次算出は、それまでの間の活動のためのものである。
(委員)
人材育成支援無償に関し、平成20年度と21年度で供与限度額が違うのはなぜか。
(外務省)
1年目は選考期間であり、来日していないことが理由である。
(委員)
アフリカ開銀に関しては一般論として、現地事務所が少ない、案件チェックが甘い等批判もあるようだが、このマリーセネガル橋梁案件(アフリカ開銀との協調融資で円借款で支援する道路インフラを、無償資金による橋梁案件で補完的に支援)を準備するときに連携上の問題はなかったか。同時に、本案件のように広域的なインフラ支援の一環として、各ドナーと協調し今後も支援できるのであれば効果が期待できる。また、モザンビークの案件について、保健分野においては、技術協力による人材育成との連携は進んでいるのか。
(外務省)
マリーセネガル橋梁案件では連携を念頭におき調査を行ったが、技術的方面での調整の難しさはある。一方で、今後ともアフリカにおいて道路案件を行っていくが、予算状況に応じ、支援の程度と効果を勘案しつつ、最大限の効果が上がることを目的として案件形成していきたいと考えている。保健の関係では、我が国は他のドナーと比し、保健システムの強化を行う技術支援を行っている。量的アプローチと共に、適切な技術協力も併せて必要である。
(委員)
テロ対策等治安無償に関し、武器輸出三原則に抵触するものではないのか。
(外務省)
経産省に照会をかけており、本件は御指摘の三原則に抵触しないことを確認済みである。
(外務省)
今回で3回目であり、来週公表する予定で調整している。今回も前年度までの例にならい、1.戦略的なODAの実施のための援助政策の企画・立案、2.コスト縮減や業務内容の改善を通じた事業の効率化、3.チェック体制の拡充と国民理解の促進との3本立てで構成している。
(外務省)
施設案件について、5年間で15%の総合コスト縮減を目指すべく具体的なプログラムを策定した。具体的施策は、1.計画段階に関する再検討(施設の中身や工期の設定の再検討)、2.設計手法の再検討(仕様・内装・設備の合理化)、3.積算の最適化(積算審査の強化)、4.案件発掘から実施までのスピードアップ、5.入札の競争性向上(入札参加者の増加に伴うコスト削減)である。
(委員)
新JICAにおいてローリングプランと協力準備調査はどのように関連してくるのか。協力準備調査については、被援助国からの要望が、ある程度固まった段階で行うのと、漠然とした段階とで行うのとでは違いも生じると思われる。また、特定スキームを前提とした案件を形成するのではなく、案件形成をしながら適切なスキームを考え、組み合わせていく取組みができれば、より効果的な案件形成が可能になるのではないか。
(外務省)
ローリングプランと協力準備調査は、双方向にインプットし合う関係にあると思う。また、協力準備調査については、個々の案件の成熟度や段階に応じて様々な規模・形態がある。適切なスキーム選択に関しては、相手国政府としても、支援が無償で行われるかどうかは関心事項であり、確認しながら行っていかなければいけない。今後、有償や技協を組み合わせたパイロット事業を行う予定である。
(外務省)
DACによって2007年度の暫定値(ほぼ確定値)が出された。DAC加盟国の中で我が国の支出純額実績は前年比約3割減の76.9億ドル(9,060億円)で米独仏英に次ぐ5位となった。ODAの対GNI比については、我が国は0.17%へ減少した。これを受け、G8開発大臣会合において、高村大臣はODA事業量について、「底打ちをさせて反転させなければならない。2005年から09年の5年間で100億ドル積み増すという国際公約を着実に達成するとともに、今後ともODAの拡充に向けて努めていく考え。サミット議長国として、会議の成功のために積極的に貢献する覚悟だ。ODAの拡充につとめていきたい」と発言。
(委員)
アフリカは債務救済の目途がつき、徐々に中長期的な発展が可能になっており、日本もそのような発展を促すための長期的なプログラムで支援していってほしい。ODA暫定値については、我が国にとって、国際協力以外の外交ツールがあまり無い中で、こんな事態になってしまい残念であり、反転を望む。一般会計予算については5年間は毎年2~4%削減という骨太の方針の縛りがあるが、特例措置はできないか。同時に、他の財源の可能性を検討していくことも一案ではないか。
(委員)
ODA予算の削減傾向を反転させるためには、政治が動くことも大事であると考える。
(JICA)
別添1
別添2
日時:平成20年4月8日(火曜日)12時00分~14時00分
場所:外務省中央153会議室
以上