2月4日、無償資金協力実施適正会議が開催されたところ、議事要旨は以下の通り。
1.経済協力局長挨拶、座長挨拶、委員自己紹介。
2.無償資金協力課長より、無償資金協力の予算、スキームの概要、手続の流れにつき説明。
3.JICA無償資金協力部長より、JICAの役割につき説明。
4.2月閣議請議案件に関する主な質問(無償資金協力課長より回答)・意見。
(1) |
厳しい予算の中、どれだけ効果があるかという視点が重要。
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(2) |
国によっては社会セクターについて、コモンバスケット方式が進んでいるところもある。ある分野における支援が重要だとしても、プロジェクト型支援が良いか、ノンプロ型が良いか、JICAの知的支援をどう組み合わせるか、そういった視点から、案件が要請されてから選定されるまでどのような議論がなされているか承知したい。
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(3) |
債務救済無償を廃止したということだが、放棄された債権は、債務救済無償とは異なり、本体予算であるので、債務救済無償とはアカウンタビリティの考えが異なってくるのではないか。知的支援を含めて、どう開発効果を担保しようとしているのか。
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(4) |
コンサルタントの選定について、調査と施工の部分では関連会社が選ばれることが多い気がするが、コンサルタントに対するチェックはどう確保しているのか。
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(5) |
日本製バスの供与により「顔の見える援助」が期待されるとの説明があったが、むしろ「日本からの援助」と車体に書いてあれば、独製でもいいのではないか。
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(6) |
訓練船購入のための資金を供与する案件があるが、技術協力との連携はないのか。
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(7) |
ユニセフ経由のワクチン供与について、供与規模は、ユニセフから要請があるのか。モニタリング費用はどの程度か。
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(8) |
ODAの要請主義については、現在の形が本当にいいのか、戦略性の観点から検討する必要がある。
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(9) |
維持・管理については、技術協力との連携を図る等、オールジャパンとしての観点が重要。
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5.無償資金協力実施適正会議の性質と目標について。
(1) |
委員より、以下のような意見が出された。
(イ) |
時間の関係もあり、全ての案件の全ての項目につき深く掘り下げて証拠を出せということは困難である。この会議でどう焦点を充てていくか考える必要がある。 |
(ロ) |
本会議にて各案件の採択の是非について最終的な判断を下すということには時間的にも無理がある。各案件の選定について、各段階でどう判断していくか、考え方を整理するためのケーススタディと位置づけてはどうか。 |
(ハ) |
NGOの一部には、本会議の役割があまり明確ではないのではないかという人もいる。我々委員は一所懸命やるが、この会議を開催したことで、全ての案件について採択の是非の最終判断を下すのは難しいのではないか。
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(2) |
経済協力局長より、以下の通り説明。
時間的制約もあり、全ての案件を細部にわたり詰めていくことは不可能かもしれないが、これまで外部に見えない形でやっていた無償資金協力の案件選定にかかるプロセスを第三者の目にさらすということが原点であるので、閣議決定の前の段階でとりあえず全ての案件をさらすということが必要なのではないかと考えている。透明化という観点からこうした会議を立ち上げることで一歩前進したと思う。御指摘の点を踏まえながら、会議を積み重ねつつ、検討して参りたい。
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