ペルー共和国
「初等教育改善計画」
(阪神淡路大震災のプレハブ住宅を再利用)
ペルーの過疎地域では、多くの生徒たちが、アドベと呼ばれる日干しレンガで造られた簡素な建物で勉強をしています。校舎は時と共に壁の一部がはがれ落ち、建築から相当の年数が経っている教室も珍しくありません。
ペルー政府は、教育環境の向上をめざして、学校施設の拡充や改善に力を入れて取り組んでいますが、数千に及ぶ学校教室が建て替えを必要としています。
96年にフジモリ大統領が訪日した際に、橋本総理(当時)より、阪神淡路大震災の被災者が利用していたプレハブ住宅を再利用するため、兵庫県が海外寄贈していることが披露され、フジモリ大統領より是非ペルーでも活用したいと伝えられました。そこで、ペルーでの教室不足の状況から、プレハブ住宅を教室として利用することが決まりました。兵庫県がプレハブ住宅を寄贈し、政府が草の根無償資金協力によりそのペルーまでの輸送費を支援し、ペルー側の努力で組み立て作業が行われた結果、教室に変身したプレハブ住宅の引き渡し式が98年8月に行われました。
引き渡し式では、「日本、友だち」、「日本、ありがとう」と感謝の気持ちを表したプラカードを手にした大勢の住民が校庭を埋めつくしました。
また、日本から贈られたことを示す銘板が据え付けられ、生徒たちによる鼓笛隊の演奏が行われるなど、住民の心のこもった歓迎式が各地区において繰り広げられました。
案件概要:平成9年度草の根無償資金協力「アバンカイ郡、ウアマンガ郡、ナスカ郡、トルヒージョ郡、ラムバイェケ郡初等教育改善計画」
ペルー政府は、教育省の他、政府機関であるFONCODES(国家補償・社会開発基金)を通じて、過疎地域における教育環境の改善をめざして、老朽化した数千の教室を対象に、小学校の建設、改修を行っています。
今回の協力は、兵庫県から寄贈されたプレハブ住宅(計約200戸)のペルーまでの輸送経費が、草の根無償資金協力により支援したもので、プレハブ住宅は、2世帯分が1教室として利用されています。