コスタリカ共和国
「胃癌早期診断プロジェクト」
現地報道振り
コスタリカでは、胃癌にかかる割合は、1000人に7人と世界中でも最も高く、その原因については様々な説がありますが、現時点で最も有効な対策は、癌の早期発見であると言われています。わが国は、プロジェクト方式技術協力(*)を通じて、胃癌の早期発見を支援しています。
これまでも、プロジェクトは度々現地マスコミで取り上げられ、注目を集めてきましたが、ここでは現地最大紙ラ・ナシオン(6月7日付第1面、4面)で報じられた記事をご紹介しましょう。
- プロジェクト開始当時は、1000人に2名の罹患者の発見が予想されていましたが、この3年間で6373名の診断を行ったところ、予想を上回り、43名の罹患者が発見され、その70%は早期のものであり、治療が可能なものでした。
- 日本の協力により、少なくとも60%の胃癌診断のための人材育成と技術向上、胃癌予防知識普及キャンペーンの必要性をコスタリカ側に強く助言しています。
- かつて、本プロジェクト対象者の第一陣として検診を受けたヴィクトル・モラ氏は胃潰瘍があるとの診断を受けていました。今回、再度検診を受けたところ、その潰瘍が治癒していたため、夫に同伴していたホセファ夫人は、「このプロジェクトは大変すばらしい。貧しい者が他では絶対に受けられない検診を受けることができる。」と感謝の言葉を述べていました。
案件概要: 平成7~12年度 プロジェクト方式技術協力
コスタリカでは、胃癌の高い発生率に対し、発見率はわずか3%にすぎず、治癒率は非常に低い状態にあります。このため、胃癌早期診断体制の確立を重点課題とするコスタリカに対して、わが国は集団検診システムの技術移転をはじめとする技術協力を実施しています。具体的には、モデル地区における胃癌関連データの収集・分析、検診に係わる人材育成、胃癌検診・治療システムの確立等に役立つ協力を行っています。
(*)プロジェクト方式技術協力:研修員の受入れ、専門家の派遣、機材の供与を効果的に組み合わせて実施する技術協力のこと。

98年6月7日付ラ・ナシオン紙
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