ボリビア共和国
「チュキサカ及びタリハ農道整備計画」
開通式(平成10年7月1日)
首都ラパス市より南へ1,000キロの山奥にあるラパス州ウアイコ村で、地方道路(砂利道20キロ)の開通式が行われました。この道路は、日本の無償資金協力で購入したさまざまな機材を駆使して整備した道路です。
この日のボリビアの人々の歓迎ぶりをご紹介しましょう。
開通式に出席する日本大使の乗ったジープは、悪路を走らせること2時間半、山また山を越え、会場に近づくと、突然、ある家族に呼び止められました。体一杯に喜びを表現する村人は、「日本の『博愛的ボリビア援助』に常々感謝しています」とほおずりをして、日本大使に出会えた喜びを最大限に表しました。
雨が降りしきる中、待ち受けていた数えきれない程の村人が、いっせいに手製の日の丸の小旗を振り、音楽隊の大音響がこだましました。来賓テントに案内されると、次々と村人からの温かいスピーチや歌の歓迎を受けました。
また、ボリビアきっての大衆政治家・サモラ知事のスピーチは村人を十分に引きつけました。「へき地、山奥の発展は、私がかねてより約束している電気・水の供給、そして道路の整備なくしてはありえません。今日は、まず道路の約束を果たせました。さあ、日本大使の名前を感謝を込めて言ってみましょう。」と促して、大きな声で日本大使の名前「TATEYAMA」を復唱させたのでした。
スピーチを終えた知事は、「これで、村人は、日本の道路機材と結びつけた日本大使の名前を決して忘れませんよ、大使の名前は、このグアラニ地方の方言で「小さい猫」の意味だから」と、すかさず日本大使にウインクしたのでした。
(*)案件概要:平成3年度 無償資金協力
ボリビア共和国の道路総延長は約4万kmにすぎません。国土の複雑な地勢やそれに伴うコスト高、人口密度が低く、人口が偏在していることが道路整備の遅れの原因となっています。
農牧業を主要産業とするチュキサカ州とタリハ州に、道路建設に必要な資機材を供与し、農道整備を通じて、農産物の流通促進などの地域経済の活性化を図ります。