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南アフリカ共和国
「バロポディ小学校校舎増築計画」
引き渡し式(平成10年2月27日)

 首都プレトリアより北東に約150キロ、ノーザン州ジェーン・ファースにあるバロポディ小学校で、新しく完成した校舎の引き渡し式がありました。この校舎の建設に使われた数千個のレンガは全て住民たちの手作りによるもので、自らの努力が結集した校舎を前に、住民の喜びはひとしおでした。
 式は10時開始予定が、「アフリカン・タイムの法則」により(*1)、11時半に始まりました。歌と踊りで式が盛り上がりを見せる中、ひとりの女の子による詩の朗読がはじまると、人々の注目は彼女の次の言葉に集まりました―「私たちは貧しさの中で暮らしてきました。でも、今ここに日本からの贈り物がきました。私たちの声を聞いてくれた神様に感謝しましょう」。
 続いて挨拶に立った教育大臣顧問(前教育大臣)は、延々と40分にわたって自助努力の大切さを訴えました。35度を超える炎天下の中でのスピーチが波に乗ってくるにつれて聴衆のテンションも高まり、中には大きな声で喜びを表現する婦人もいました。
 待ちわびていた新校舎のお披露目が始まると、争って中を見ようとする人たちで入口付近が一時はもみくちゃの状態になりました。式に出席した日本大使館の職員は、南ア式3段階握手(*2)攻勢にあい、汗とほこりをたっぷり浴びましたが、住民たちの喜びの表情を前に自然と笑顔になるのでした。

(*)案件概要:平成9年度草の根無償資金協力
 バロポディ小学校は、地域住民と支援者が一から作り上げ、1981年に開校したコミュニティースクールです。南アフリカ政府からは、教員の給与や備品購入のための補助金が支給されていますが、施設の管理は住民が行っています。
 現在は、全校生徒が約1,000名で、1教室40名の教育基準を200%以上超過する状況で授業を行い、また、トイレは4つしかありませんでした。
 日本は、教育環境を改善するために、草の根無償資金協力を通じて、1棟4教室とトイレを整備するための資材購入を支援しました。
(*1)予定時間より遅れること。
(*2)3回連続する握手、最初は普通の握手、次に腕相撲をするような形で手を組み合わせる握手、最後はまた普通の握手。

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