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中華人民共和国
「飲料水プロジェクトが我々の発展への道を切り開く」(六盤水日報 2005年3月5日)

記事概要:
 2月25日、六枝特区梭戛郷では、(少数民族の)苗族が盛装して遠くからこの地を訪れた在中国日本大使館関係者を出迎え、日本政府の無償援助で実施された草の根飲料水プロジェクトの竣工式が執り行われた。
 梭戛郷では水資源の不足が深刻で、水不足は地域の経済発展のボトルネックとなっていた。総額73.49万元(うち日本政府無償資金67.13万元)の飲用水改善プロジェクトは、2004年1月15日に着工、一年間の努力によって2004年12月9日に完成した。プロジェクトは5村の住民6946人と家畜2300頭の飲料水の問題を解決し、住民の基本的な生産・生活条件の改善に大きく貢献し、住民が衛生的で便利な水が飲めるようになっただけでなく、地元産業の発展を促進し、地域の貧困対策に大きな役割を果たした。
 中寨村の謝清江・村民委員会主任は、本プロジェクトの受益者の一人である。以前は毎日の水汲みに2時間以上を要していたため、彼の家では一滴の水も無駄にしないよう水を繰り返し使っていたが、(本プロジェクトにより)水道管が家まで引かれ、蛇口を開くと流れ出る水を使えるようになり、彼は感激し次のように述べている。「草の根プロジェクトは、我々の発展への道を切り開いた。今年は養殖業と栽培業を始めるつもりだ」。彼の一家では、今年から、豚6頭、牛3頭の他、ニワトリやガチョウを数十羽飼育し、野菜を3ムー栽培する。彼の一年の収入は1万5千元以上になる予定である。

六盤水日報 2005年3月5日
(六盤水日報 2005年3月5日)

記載されたプロジェクト紹介:
 草の根・人間の安全保障無償資金協力により、少数民族が多く居住する中国内陸部の貧困地域において、飲料水不足問題を解決するため、取水池の建設及び上水道整備資金を供与するもの。
 中国の内陸部に位置する貴州省六枝特区は、1965年に石炭工業と石炭輸送用鉄道敷設の拠点として特殊行政特区となったが、石炭資源が枯渇してしまった現在は、住民一人当たりの年間平均収入が950元と低く、国家級貧困地域の指定を受けるに至っている。更に、貴州省は中国の最貧困省で、恒常的に財政が逼迫しており上水道の整備は遅々として進まない状態が続き、案件の実施地域である梭戛郷では、5つの村において深刻な水不足に陥り、村の女性や老人が長い距離を歩いて水汲みをせざるを得ない状況が続いていた。
 本件は以上のような状況に鑑み、取水池を建設して水源を確保した上で、同地域の上水道を整備し、飲用水不足を解消することを目的として実施されたもので、案件実施対象の5村住民の飲用水の不足問題を解決し、主に水汲みの労を担ってきた女性住民の負担軽減に大きく寄与するものである。

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