平成24年12月21日

1. 本21日（現地時間同日），パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにおいて，我が方大江博駐パキスタン大使と先方ジャヴェイド・イクバル経済・統計省経済担当次官（Mr. JAVED Iqbal, Secretary to the Government of Pakistan, Ministry of Economic Affairs and Statistics, Economic Affairs Division）との間で，13億8,500万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力「中波ラジオ放送網改修計画」（The Project for Rehabilitation of Medium Wave Radio Broadcasting Network）及び14億2,300万円を限度とする一般プロジェクト無償資金協力「カラチ小児病院改善計画」（The Project for the Improvement of Child Health Institute in Karachi）に関する書簡の交換が行われました。
2. 各案件の概要は以下のとおりです。
   
   （1）中波ラジオ放送網改修計画
   • ア　アフガニスタンとの国境に位置するハイバル・パフトゥンハー（KP）州と連邦直轄部族地域（FATA）は，社会経済開発が最も遅れた地域の一つです。また，同地域では2001年9月11日の米国同時多発テロ以降，武装勢力によるテロ活動や政府によるテロ掃討作戦が展開されており，同地域の民生向上と安定化のための対策の必要性が高まっています。
   • イ　同地域の住民の多くは必要な情報の多くをラジオから得ていますが，同地域へ送信するパンジャブ州ファキラバードのラジオ送信所の老朽化により送信範囲が縮小し，住民に必要な情報が届いていない状態です。
   • ウ　この計画は，パキスタン放送公社イスラマバード本局の老朽化したスタジオ機材及び，ファキラバード送信所の送信機を更新するものです。これによりパキスタン全土のラジオ放送網が安定すると共に，ファキラバード送信所の送信範囲が回復することでKP州，FATAを中心とした約6,300万人の住民及びアフガニスタン国境付近約350万人の住民が，教育啓発，保健衛生，気象・防災，治安等の生活情報に加えて，国内避難民・アフガニスタン難民向けの食糧や日用品の配給など人道支援に関わる情報を得ることが可能になり，パキスタン・アフガニスタン国境地帯の民生向上と安定化に繋がることが期待されます。

   （2）カラチ小児病院改善計画
   

   • ア　パキスタンにおける乳児死亡率や5歳未満児死亡率等の保健指標は，南アジア地域諸国の中でも低い状況にあります。
   • イ　この計画が対象とするシンド州のカラチ小児病院は，人口増加の著しいカラチ市の中でも貧困層の割合が高い地域に位置する州立病院ですが，設備の不備等から十分な医療サービスが提供できていません。
   • ウ この計画は，カラチ小児病院施設を拡充し，必要となる医療機材を整備することで，医療サービス供給体制を増強するものです。これにより同市の約175万人の小児の衛生環境が改善されることが期待されます。

1. パキスタン・イスラム共和国は，面積約79.6万平方キロメートル，人口1億8,071万人（2011/2012年度，パキスタン経済白書），1人当たりのGNI（国民総所得）1,372米ドル（2011/2012年度，パキスタン経済白書）です。
2. プロジェクト位置図・写真（PDF）

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