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アフリカ

日本の対アフリカ協力政策
平成17年4月

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 【ポイント】
1.アフリカ開発会議(TICAD)プロセスを通じたアフリカへの継続的コミットメント
2.3つの柱に基づく重点的取組
(1)平和の定着
~開発の基盤造りのため、紛争地域の和平推進、切れ目のない復興支援のための包括的な取り組み
(2)経済成長を通じた貧困削減
 1)アジアの開発経験を踏まえた対アフリカ貿易・投資の促進、
 2)農業・農村開発支援
(3)人間中心の開発
~アフリカの持続的発展のための人的基盤造り

第3回アフリカ開発会議
第3回アフリカ開発会議
(TICAD III)
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 経済協力関連パンフレット
 ODAエピソード

1.アフリカ開発会議(TICAD)プロセスを通じたアフリカへの継続的コミットメント

日本は、冷戦終結に伴い、国際社会のアフリカへの関心が低下するのを憂慮し、1993年にTICADプロセスを開始して以降、アフリカの開発問題に国際的イニシアティブを発揮。2000年の九州・沖縄サミットにおいてアフリカ諸国を初めてサミットに招待し、アフリカ問題をG8のアジェンダとすることに貢献。
2003年9月、10年間の経験を結集し、TICADIIIを開催~NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)への国際社会の支援の結集に成功。23名のアフリカ首脳を含む1,000名以上の参加

TICADは、アフリカ開発の鍵となるコンセプトを提示~オーナーシップとパートナーシップ、南南協力(アジア・アフリカ協力)、人間の安全保障、アフリカの多様性の尊重。

TICADプロセス、G8アフリカ行動計画の具体化~「平和の定着」、「経済成長を通じた貧困削減」、「人間中心の開発」をアフリカ支援の3つの柱として支援を実施。

TICAD IIIポスター
TICAD IIIポスター
アフリカ各国との関係を新たに促進してきた日本としては、アフリカ自身の困難に着目し、アフリカ各国を分け隔てなく支援。ミレニアム開発目標(MDGs)達成の観点からもアフリカの発展を重視。

着実な経済協力の実施~1993年以降、基礎生活、インフラ、農業等の分野で約127億ドル以上の二国間ODAを実施。その他、国連通常予算、PKO予算の約2割を負担し(米を除く国連安保理常任理事国4ヶ国の合計よりも多額) 、国連を通じたアフリカへの貢献も大きい。

債務削減による社会経済開発支援:アフリカの重債務貧困国(HIPCs)に対し、総額30億ドルの円借款債権の放棄を実施。


2.3つの柱に基づく重点的取組
(1)平和の定着~開発の基盤造りのため、紛争地域の和平推進、切れ目のない復興支援のための包括的な取り組み

ブルキナファソの子どもたち写真提供:JICA 撮影者名:今村 健志郎さん)
ブルキナファソの子どもたち
(写真提供:JICA
撮影者名:今村 健志郎さん)
平和維持活動への貢献:アフリカで現在活動している国連PKO7ミッションの費用の20%負担。年間(2004/2005年(単年))5億5000万ドル貢献。

平和の定着のための支援:コンゴ(民)、シエラレオネ、アンゴラ等での平和の定着を促進するため、支援国会合への積極的対応と具体的支援(元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰・本国への帰還(DDRR)支援、地雷対策等)の実施。リベリアについては、2004年2月の支援国会合を受け、3月から9月にかけて総額約1000万ドルを支援。

人道支援 ~ダルフール支援: UNHCRを通じ、難民・避難民支援のため4000万ドル以上をアフリカ向けに拠出(2004年)。ICRCを通じ、約472万ドルをアフリカ向けに拠出(ICRC向け拠出の約60%)。スーダン西部のダルフール及びチャドにおける人道危機に関する国連の緊急アピールに応え、2004年5月に日本政府職員を現地に派遣し、右報告を踏まえて、約600万ドルの人道支援を実施。同年9月、更なる人道状況の悪化を受け、担当大使を派遣し、右報告を受け新たに1500万ドルを拠出し、合計2100万ドルの人道支援を実施。更に、チャドにおけるスーダン難民にテント700張を供与。

人間の安全保障、コミュニティー支援の推進:日本の主導で国連に設置された「人間の安全保障基金」を活用して、人々の保護と能力強化による人づくり・社会づくりを通じた国づくりを支援。アフリカには99年3月からこれまでに31件約3570万ドル支援、現在さらに10件914万ドル以上のプロジェクトを準備中。また、草の根・人間の安全保障無償(2004年度予算規模:150億円)を、アフリカ向けに積極的に活用。

地域機関を通じた広域的支援:アフリカ連合(AU)、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、南部アフリカ開発共同体(SADC)等との関係強化、これら機関に対する支援。

(2)経済成長を通じた貧困削減

1)アジアの開発経験を踏まえた対アフリカ貿易・投資の促進

農業指導をする青年海外協力隊(写真提供:JICA 撮影者名:今村 健志郎さん
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農業指導をする青年海外協力隊
(写真提供:JICA
撮影者名:今村 健志郎さん)
TICADプロセスにおけるアジア・アフリカ間の貿易・投資促進のための主な取り組み:
  • 過去3回(1999年、2001年、2004年)の「アフリカ・アジア・ビジネス・フォーラム(AABF)」を通じて、アジア・アフリカ間のビジネス・マッチングを実施。この結果、計約190件、約140百万ドル相当の覚書が締結された。
  • アジア・アフリカ間の貿易投資の促進のための官民による政策議論を行うため、2004年5月に「アジア・アフリカ官民合同フォーラム」(於:マレーシア)、2004年11月1日から2日に「TICADアジア・アフリカ貿易投資会議(AATIC)」を開催(於:東京)。AATICでは、アフリカ各国が貿易・投資を通じた開発を実現できるよう、比較優位の育成や中小企業振興を含む政策提案を始め、アジア-アフリカ間の官民ネットワーク構想の発表、「TICAD・NEPAD共同文書」の署名等が行われた。
2003年より後発開発途上国(LDC)から日本への全輸入額の約93%を無税・無枠化。

TICAD I(1993年)以降、アフリカで約50億ドルのインフラ支援を実施。また、SADC、ECOWAS等、地域機関との協力や、NEPAD地域プロジェクトへの支援を実施(ガーナでの幹線道路改修計画の総額67億円の支援等)

2)農業・農村開発支援

ネリカ米(写真提供:Tatsuo Fujimura/UNDP) 
ネリカ米
(写真提供:Tatsuo Fujimura/UNDP) 
農業は、アフリカの経済の成長の鍵。アフリカにおける農業生産性の向上や流通の促進を通じた所得向上のための農業・農村インフラ整備、技術協力、人材育成等、中・長期的施策を包括的に実施。例えば、エチオピアにおいては、農産物の輸送力強化のための北西幹線道路の改修に対して、8140万ドルの無償資金協力、960万人が裨益。

ネリカ米の品種開発・普及促進(ネリカ米基礎調査団の派遣(第一次:マリ、セネガル、ガーナ、エチオピア、ウガンダ、タンザニア、ケニア、第二次:ナイジェリア、マダガスカル、モザンビーク)、西アフリカ稲開発協会(WARDA)、ウガンダへ専門家を派遣)

TICADII(1998年)以降、灌漑施設の整備により、アフリカで灌漑面積を約5万8千ha拡充。

一方、飢餓撲滅のため、二国間支援及びWFP経由にて緊急食糧支援を実施。03年度は、アフリカにおいて6000万ドル以上実施。

(3)<人間中心の開発~アフリカの持続的発展のための人的基盤造り

TICAD IIIの際に、今後5年間で10億ドルの無償資金協力(保健医療、水、教育、食糧等の分野)を実施する旨発表。これまでに約4億ドルを実施。

世界エイズ・結核・マラリア基金へ02~04年に、2億6500万ドルまでの拠出を誓約し、右誓約額を拠出済み。ポリオ撲滅のため03~05年度の3年間に8000万ドルの支援を誓約し、これまで約4900万ドルを実施。

感染症対策:沖縄感染症イニシアティブ(IDI)の一環として、2000年~2002年の3年間にアフリカに対して約4.4億ドルの支援を実施。

水の供給:TICADII(1998年)以降、TICAD III(2003年)までに約460万人のアフリカの人々に安全な飲料水及び衛生施設を提供。アフリカを含む全世界向けの飲料水と水分野のODA(1999~2001年)の約3分の1を供与。04年度は、230億円(予算規模)の水資源・環境無償をアフリカ向けに積極的に活用。



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