
軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)第5回外相会合
共同ステートメント
ニューヨーク 2012年9月26日
(英語版)
- 我々,豪州,カナダ,チリ,ドイツ,日本,メキシコ,オランダ,ポーランド,トルコ及びアラブ首長国連邦の外相は,2010年NPT運用検討会議の行動計画の履行を促進するための実践的なステップをさらに前進させ,そして核兵器のない世界という目標を追求する決意である。我々は,これらの目的達成に向け多くの国々が取り組んでいることを認めるが,さらに多くのことがなされる必要があると考えている。
- ニューヨークでの会合において我々は,NPTの三本柱にわたる強固な体制を実現することに貢献するとのコミットメントを新たにした。また,6月のイスタンブールでの会合で合意したように,これまでの進展を見直し,将来の方向性を見極めた。
- 地域横断的な軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)を通じ,我々は主導的な非核兵器国として,核軍縮の取組における透明性を向上させることへの我々の正当な関心を示してきた。核兵器国による透明性と報告に関する議論への貢献として,NPDIは2010年NPT運用検討会議の行動計画のアクション21に基づき報告フォームの案を作成した。この報告フォーム案は,2011年6月に核兵器国に提示され,2012年にウィーンで開かれたNPT運用検討会議第1回準備委員会で,透明性に関するNPDIの作業文書に添付され提出された。9月にNPDI各国はこの貢献について議論するため各核兵器国の首都において協議を実施した。我々は,核兵器国の信頼醸成措置を支援するため,本件についてフォローアップすることに合意した。
- 我々は,中東において核兵器とその他全ての大量破壊兵器の無い地帯を設置することに関する会議を自由な意思決定によってなされた取り決めにより,域内の全ての国が出席して開催することを全面的に支持する。我々は,会議の成功に向けた準備として,全ての関係国と幅広く協議しているファシリテーターの取組を認識し,これを全面的に支持する。また,中東の全ての国に対し,真摯で建設的な協力の精神で関与するよう要請する。
- 我々は皆,包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効と核の実験的爆発の恒久的停止を実現することにコミットしている。我々はCTBTフレンズを支持し,また,未批准の発効要件国8カ国に対し出来る限り早急に条約を批准するよう一致して求める。
- 我々は,ジュネーブ軍縮会議(CD)の議題にある4つの主要事項において,実質的な作業が行われていないことに依然深い懸念を抱いている。我々は,兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉の即時開始を含む包括的な作業計画の採択と履行を強く求める。国連総会決議66/44を踏まえ,今年の5月と8月,NPDIのメンバー国であるドイツとオランダが,FMCTにおける技術的作業を促進し交渉開始を支援するため,ジュネーブで科学専門家会合を開催した。ニューヨークで開催される第67回国連総会第一委員会において,この課題に対処するため,NPDIメンバー国であるカナダが国連総会決議を再度提案する。我々は,現状を総括し,CDの停滞を打ち破るために行われている努力を支持し,前進する方法を提案する決議案を強く支持し,他国も同様にすることを奨励する。
- 我々は,核活動の保障措置及び管理に関する主要な法的文書の支持拡大と締結に向け,共同での取組を継続することに合意した。その一環として,我々はIAEA追加議定書についての行動を促す書簡を近く発出することを確認した。我々は,非戦略核兵器及び核兵器の役割低減に関する文書の内容を確認するとともに,2013年にジュネーブで開催される第2回NPT準備委員会に向けて更に詰めていくことを歓迎する。また我々は,CTBT,輸出管理,非核兵器地帯,そして核兵器国における保障措置の適用拡大に関する共同作業文書を作成することにも合意した。これらの文書は,2015年NPT運用検討会議第2回準備委員会に,新しいアイデアと推進力をもたらすことを目指すものである。
- 我々は,2013年4月にオランダで次回会合を開催し,我々の優先課題の実施状況の進展を評価するともに,2013年の準備委員会が生産的なものとなり成功するよう,我々の貢献を仕上げる。