
MTCRキャンベラ総会(概要)
平成20年11月
11月5日から11月7日まで、キャンベラにて開催されたミサイル技術管理レジーム(以下「MTCR」という。)総会後に発表されたプレスリリースの概要以下のとおり。
- MTCR参加国は、国際の平和と安全に対する脅威である大量破壊兵器(以下「WMD」という。)及びその運搬手段の拡散の問題について議論した。MTCR参加国は、WMDの運搬手段に関する計画及び拡散懸念活動を阻止するための一層の取組みが必要であるとの認識を共有した。北東アジア、南アジア及び中東地域におけるミサイル拡散による挑戦が特に強調された。
- 参加国は、輸出管理への挑戦に関する情報交換及び議論を行い、増大する拡散の脅威(急速な技術的変革によるものも含む。)に対応すべく、MTCRの規制を強化するとの決意を再確認した。
- MTCR総会は、MTCRの規制の正確さ及び包括性を維持するため、多くの提案について議論し、規制品目リスト(MTCRガイドライン附属書)への修正に合意した。MTCR総会は、MTCRの規制の効果を改善するため、各国レベルで採るべき措置について合意した。
- MTCR参加国は、国連安保理決議、特に、決議第1718号、第1737号、第1747号、第1803号及び第1835号が、MTCRによる輸出管理に直接の関連を有していることに留意すると共に、これら決議を履行し、拡散懸念のある大量破壊兵器ミサイル計画に利用され得るいかなる品目、資材、物品及び技術の移転を、自国の国内法令に従い、かつ、国際法に適合する範囲内で、監視及び防止する決意を表明した。
- MTCR参加国は、自らの国内法的権限及び法律に従って、並びに、国際法に合致して、WMD、その運搬手段及び関連物質の拡散を防止するための効果的な国内輸出管理を確立することをすべての国連加盟国に呼びかける国連安保理決議第1540号の履行を支持することを改めて表明した。MTCR総会は、MTCR議長が1540委員会との接触を継続すべきであることに合意した。
- MTCRガイドライン及び規制リストは、国際輸出管理の標準であり、この標準を遵守するMTCR非参加国は増加している。MTCR参加国は、MTCR非参加国がMTCRガイドライン及び規制リストを適用するよう奨励し、個別に、又はMTCR議長によるアウトリーチ活動を通じて、ミサイル及びミサイル技術に対する効果的な輸出管理を促進するために、MTCR非参加国と協議し、協力する意思を確認した。MTCR議長は、様々なMTCR非参加国に対するアウトリーチ活動を実施するマンデートを与えられた。
- MTCR参加国は、ブラジルが2009年下半期に次回総会を主催し、次の任期に同国が議長を務めるとの同国の提案を歓迎した。