軍縮・不拡散

MTCRアテネ総会(概要)

平成19年11月

 去る11月5日から9日まで、アテネにて開催されたミサイル技術管理レジーム(MTCR)総会後に発表されたプレスリリースの概要以下のとおり。

1.安保理決議との関係

(1)MTCR参加国は、国連安保理決議、特に、決議第1718号、第1737号および第1747号が、MTCRによる輸出管理に直接の関連を有していることに留意すると共に、上記安保理決議を履行し、自国の国内法令に従い、かつ、国際法に適合する範囲内で、監視を行い、拡散懸念のある大量破壊兵器関連弾道ミサイル計画に利用され得るいかなる品目、資材、物品及び技術の移転を防止する決意を表明した。

(2)MTCR参加国は、特に、拡散懸念を有するエンティティおよび非リスト品目に関する情報交換をはじめとした現実的な措置に合意するとともに、すべての国に対し、各国レベルで、完全かつ効果的に、上記決議のミサイル関連条項を履行するよう呼びかけた。

(3)MTCR総会は、大量破壊兵器およびその運搬手段の拡散が国際の平和と安全に対する脅威であることを明記し、かかる兵器および関連資材に関する効果的な輸出管理を実施することを全ての国連加盟国に義務づけた国連安保理決議1540への支持を改めて表明した。MTCR総会は、この決議が触れているようにMTCR非参加国を支援する能力のあるMTCR参加国が支援の意思を有していること、および、MTCR議長が1540委員会との接触を継続すべきであることを再確認した。

2.ミサイル拡散動向への懸念

 MTCR参加国は、情報交換を行うとともに、世界のミサイル開発の傾向につき議論し、大量破壊兵器およびその運搬手段の拡散のリスクが増大しているとの認識を共有した。MTCR参加国は、特に、北東アジア、南アジアおよび中東におけるミサイル拡散に関する懸念を表明し、輸出管理を強化することで、拡散懸念を有するミサイル計画および活動を抑止する決意を再確認した。

3.ミサイル関連技術の急速な変化に関する議論

 MTCR総会は、関連技術の急速な変化を幅広く議論した。MTCRはこうした技術に自らを継続的に適合させ、ミサイル拡散の脅威削減に対して、正確、かつ幅広い観点を踏まえて、焦点を定めていくことが求められている。本件に関する多数の提案が議論された。総会は、規制品目リストの修正に合意した。

4.アウトリーチを含むMTCRの活動

 1987年の発足以来、MTCRは、国際的な不拡散の取り組みに重要な貢献をしてきた。34のMTCR参加国は、国際輸出管理の標準を確立してきており、この標準を遵守するMTCR非参加国は増加してきている。MTCR参加国は、輸出管理の必要性の認識の向上及びMTCRと協力したいとの多くの国の関心表明を歓迎した。MTCR参加国は、個別に、および議長のアウトリーチ活動を通じて、ミサイルおよびミサイル技術に関する効果的な輸出管理を促進するためにMTCR非参加国と協議し、協力する意思を確認した。MTCR議長は、多様な範囲のMTCR非参加国に対するアウトリーチ活動を実施するマンデートを与えられた。

5.次期総会

 次期総会は、2008年下半期にオーストラリアが主催し、その後1年間、同国が議長国を務めることとなった。

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