軍縮・不拡散

MTCRコペンハーゲン総会(概要)

平成18年10月

 10月2日から6日、コペンハーゲンにて開催されたミサイル技術管理レジーム(MTCR)総会後に発表されたプレスリリースの概要以下のとおり。

1.国連安保理決議との関係

(1)総会は、北朝鮮のミサイル活動により提起されたミサイル拡散の脅威に対する重大な懸念を明記し、大量破壊兵器とその運搬手段の拡散が国際の平和と安全に対する脅威を構成することを再確認した国連安保理決議1695への強い支持を表明した。総会は安保理決議が求める輸出管理の完全な実施に向けた参加国の決意を重視した。この重大な懸念と実施に向けたコミットメントの関連で、総会は北朝鮮の最近の声明に留意した。

(2)MTCR参加国は、国連安保理決議1695および1696が、MTCRによる輸出管理に直接の関連を有していることに留意し、自国の国内法令に従い、かつ、国際法に適合する範囲内で、監視を行い、拡散懸念のある弾道ミサイル計画に利用され得るいかなる品目、資材、物品及び技術の移転を防止する旨の上記安保理決議を実施する決意を表明した。

(3)MTCR参加国は、上記の決議の実施のため、拡散懸念エンティティおよび活動に関する情報交換を含む実施すべき措置に合意し、全ての国に対し、上記決議のミサイル輸出管理の規定の完全かつ効果的な実施のための、あらゆる必要な措置をとるよう呼びかけた。

(4)MTCR総会は、大量破壊兵器およびその運搬手段の拡散が国際の平和と安全に対する脅威であることを明記し、かかる兵器および関連資材に関する効果的な輸出管理を実施することを全ての国連加盟国の義務づけた国連安保理決議1540を改めて支持した。MTCR総会は、MTCR参加国が、決議に対応してMTCR非参加国に助力する立場にあるという意思を確認し、MTCR議長に1540委員会と接触するマンデートを与えた。

2.ミサイル拡散動向への懸念

 MTCR参加国は、世界のミサイル開発および実験について、情報交換を行い、また、その傾向につき議論し、大量破壊兵器およびその運搬手段の拡散のリスクが増大していることを認識した。MTCR参加国は、特に、北東アジア、南アジアおよび中東におけるミサイル拡散に関する懸念を表明し、輸出管理を強化し、拡散懸念を有するミサイル計画および活動を妨げる決意を再確認した。

3.アウトリーチを含むMTCRの活動

 1987年の発足以来、MTCRは、国際的な不拡散の取り組みに重要な貢献をしてきた。34のMTCR参加国は、国際輸出管理の標準を確立してきており、この標準は、MTCR非参加国による遵守が増加してきている。MTCR参加国は、輸出管理の必要性の認識の向上を歓迎し、また、MTCR非参加国との協調に関心を有している。MTCR参加国は、個別に、および議長のアウトリーチ活動を通じて、ミサイルおよびミサイル技術に関する効果的な輸出管理を促進するためにMTCR非参加国と協議し、協調する意思を確認した。MTCR議長は、MTCR非参加国に対するアウトリーチ活動を、対象各国の多様性を反映させ、実施するマンデートを与えられた。

4.無形技術移転

 MTCR参加国は、MTCRにより規制される技術およびソフトウェアの無形技術移転の規制の重要性を強調し、また、MTCRガイドラインにより言及されている「移転」は、有形ならびに無形の移転であることに合意した。

5.MTCR設立20周年記念国際会議

 MTCR参加国は、2007年4月にMTCRの20周年記念に際し、コペンハーゲンにてミサイル拡散に関する国際会議を主催するデンマークの意図を歓迎した。

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