平成17年10月
9月12日から16日、マドリードにて開催されたミサイル技術管理レジーム(MTCR)総会(注)の概要以下のとおり。
MTCR総会は、不拡散に関する国連安保理決議1540等を考慮し、大量破壊兵器の運搬システムの拡散は、国際の平和と安全に対する脅威であることを強調し、テロに関連するリスクを減ずる必要性を強調した。
MTCR参加国は、総会の議論を通じて、ミサイル拡散の動向に関する評価と報告を共有し、中東、南アジアおよび東アジアを含む様々な地域におけるミサイル関連活動や実験に対する懸念を改めて表明した。
MTCR参加国は、ミサイル拡散に対抗するための更なる行動が、国家的・国際的な優先事項であることを認識した。
輸出管理は、ミサイル拡散に対し、効果的に取り組むための基本的な手段であり、総会は、技術開発および安全環境の進展に対応するための、既存のルールの適用および強化を含め、輸出管理の執行を厳格化するとの決意を新たに認識した。
一層複雑化する調達活動に対し、総会は、無形技術移転、通過(トランジット)・積み替え(トランスシップメント)及びブローカリング、仲介者やフロントカンパニーの活動等の問題を引き続き検討した。
インドが、MTCRガイドラインを一方的に遵守する意図がある旨発表したことを歓迎し、他の全ての諸国も同様の行動をとるよう奨励した。
MTCR議長(スペイン)は、MTCR非参加国に対しMTCRの目的を促進するためアウトリーチを行うこと、並びに、輸出管理の強化、ガイドラインの自発的遵守およびレジームへの協力といった諸問題に取り組むことを奨励された。
次回総会は2006年下半期にデンマークが主催し、その後1年間、同国が議長国を務めることとなった。
(注)MTCRは、1987年、核兵器を運搬可能なミサイル拡散を防止するため、ミサイル及び関連物資・技術の輸出管理を通じた国際協調を図るためにG7が設立した輸出管理レジーム。その後規制対象を生物・化学兵器を含む大量破壊兵器を運搬可能なミサイルに拡大。2005年現在、我が国、米、露、豪、韓国、アルゼンチン、ブラジル、南ア等を含む34カ国が参加。