グローカル外交ネット

令和7年1月21日

岐阜県観光国際部国際交流課

 2014年以来、10年にわたり続いている岐阜県とフランスのアルザス地方との交流についてご紹介します。

1 フランス・アルザス地方について

 アルザス地方は、フランスの北東部に位置し、東はドイツ、南はスイスの国境に接しています。ライン川を始めとした美しい川と山に囲まれた自然豊かな地域で、寒暖差の激しい気候を活かしたワイン生産が盛んな地域です。
 同地方には、ジブリ映画「ハウルの動く城」の舞台のモデルにもなった伝統的な美しい木組みの家が立ち並ぶコルマール市やフランスで最も美しい村の一つとも言われるリクヴィル村があり、世界中から多くの観光客が訪れます。

2 これまでの交流について

ONSENガストロノミーウォーキング出発式 ストロマン副議長挨拶

 岐阜県とアルザス地方との交流は、飛騨地域の酒蔵などで組織する飛騨地酒ツーリズム協議会と白ワインの産地として有名なオ=ラン県のアルザスワイン街道との交流をきっかけに始まり、2014年には、岐阜県とオ=ラン県、高山市とコルマール市、白川村とリクヴィル村が相互交流のための協定を締結しました。これまでに知事や市長等の相互訪問やコルマール国際旅行博への出展、岐阜県内でのアルザス物産フェアや写真パネル展の開催など、アルザス欧州日本学研究所(CEEJA)のご協力のもと、観光、文化、スポーツなど多方面にわたって活発に交流を行ってきました。
 2021年にオ=ラン県と隣接のバ=ラン県が合併し、アルザス欧州自治体として組織再編されたことから、一層の交流の発展を進めるべく、2023年に岐阜県とアルザス欧州自治体との間で新たな協力協定を締結しています。

3 ストロマン副議長一行の岐阜県訪問について

大垣南高校フェンシング部の生徒たちとの交流

 2024年10月13日から16日まで、アルザス欧州自治体の副議長(副知事に相当)でありコルマール市長も兼ねるエリック・ストロマン氏を代表とする訪問団8名が岐阜県を訪問しました。訪問団には、ストロマン副議長の他、元フランス共和国文化・通信大臣でCEEJA所長であるカトリーヌ・トロットマン氏や同国国会議員でCEEJA元所長でもあるオリヴィエ・ベシュト氏、アルザスワイン委員会会長のセルジュ・フレッシャー氏なども参加されました。
 岐阜県では、同年10月14日から11月24日まで、様々な文化活動を発表・共演・交流する祭典、「『清流の国ぎふ』文化祭2024」(国民文化祭/全国障害者芸術・文化祭)を開催しており、一行には、天皇皇后両陛下のご臨席のもと岐阜市内で開催された開会式に来賓として出席いただきました。
 また、文化祭の一環として岐阜県が開催した「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin飛騨高山」にも岐阜県知事や高山市長、白川村長とともに参加いただきました。「ガストロノミーウォーキング」とは、地域の食、自然、歴史などを歩きながら一度に体感できるイベントで、欧米を中心に世界各国で開催されています。「ONSEN・ガストロノミーウォーキング」は、アルザス地方のガストロノミーウォーキング「Marche Gourmande」を手本としており、これまでも、岐阜県からアルザスのウォーキングイベントに参加するなど交流を深めてきました。出発式で挨拶に立ったストロマン副議長は「岐阜県とアルザス地方は、伝統的な木造建築、ワインや地酒などの食、文化的価値などを共有しており、更なる交流が続くことを期待する」と述べられました。一行は、飛騨高山の古い町並を歩きつつ、飛騨牛などの地元の食材や、アルザスから提供されたワインやタルトフランベ(注)を味わいながら、他の参加者との交流を深めていました。
 この他高山市では、コルマール市との協力協定書の更新締結式や市主催歓迎レセプションが開催されました。併せて、岐阜県知事、県議会副議長、高山市長、白川村長らを交えた県主催懇談会に参加し、両地域の今後の交流について幅広い意見交換を行いました。
 白川村においては、世界遺産白川郷の合掌造り集落と伝統行事「どぶろく祭り」を視察し、観光と住民の暮らしや伝統文化の保存を両立する持続可能な観光地づくりについて理解を深めました。
 このほか、フェンシング強豪校である大垣南高校フェンシング部の活動を視察いただきました。コルマール市もフェンシングが盛んな地域であり、指導者や選手の相互派遣などの今後の交流について活発な意見交換が行われました。
 (注)薄焼き生地にチーズ、ベーコンなどを載せたアルザス風のピザ。

4 今後の交流について

白川郷合掌造り集落の視察

 岐阜県とアルザス地方は、10年間に渡り継続的に交流を続けてきました。地酒とワインの交流から始まり、今では、県とアルザス欧州自治体、高山市とコルマール市といった自治体間交流、ガストロノミーウォーキングをテーマにした交流といった多層的なものとなっています。今後も、これまで培った信頼関係を大切にしながら、両地方の交流をさらに深めていきたいと考えています。

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