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宮崎県延岡市とドイツ・ボトロップ市のパートナーシティ協定締結
在デュッセルドルフ日本国総領事館
宮崎県延岡市国際交流推進室
宮崎県延岡市と、ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州に所在するボトロップ市は、2024年10月、ティッシュラー・ボトロップ市長の訪日時にめでたくパートナーシティ協定(注)を締結いたしました。
1 交流の経緯

延岡市は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の際、ドイツ柔道選手団のホストタウンとなり、事前合宿地としてドイツ柔道連盟の合宿受入等を実施してきました。このことがきっかけとなりボトロップ市との交流が開始され、今回のパートナーシティ協定の締結に至りました。
2 交流例

(1)柔道交流
先述の通り、両市は柔道をきっかけとして交流を開始しました。
延岡市は旭化成発祥の地であり、デュッセルドルフに所在する旭化成ヨーロッパでは、2017年にデュッセルドルフ市内で子供たち向けの柔道教室を初めて開催して以来、これまで定期的に「Judo Workshop」を開催しています。
2024年10月には、ボトロップ市柔道クラブのJC66の選手団13名(トレーナー2名含む)が延岡市を訪問し、旭化成柔道部との合同練習、市内の高等学校との柔道練習や中学校訪問、観光やホームステイなどを通して、市民の方々と交流しました。
(2)ボトロップ市を通じたウクライナ支援
読谷山・延岡市長がティッシュラー・ボトロップ市長より、ボトロップ市に多く避難しているウクライナの子どもたちのための遊具の提供依頼を直接受けたことから、「アスリートタウンのべおか国際合宿等推進協議会」や市内のボランティア関係者の方々の協力により、2022年6月に「ドイツ・ボトロップ市を通じたウクライナ支援を行う延岡市実行委員会」が設立されました。同実行委員会の呼び掛けなどで、市内の個人・団体合わせて48件の寄付があり、子ども用遊具についてはボール類、キックボード、チョーク、一輪車、ヘルメット等、約800点、約176万円の寄付金が集まりました。延岡市は、市民の方々からご寄付いただいたこれらの子ども用遊具、寄付金をボトロップ市に送るなどの活動を行いました。
(3)イノベーション
延岡市は、国の脱炭素先行地域やSDGs未来都市に選ばれている自治体であり、イノベーション・シティとして知られるボトロップ市とこうした分野で協力することが目指されています。2024年10月にティッシュラー・ボトロップ市長が訪日した際には、延岡市の脱炭素先行地域を視察し、延岡市でのSDGs推進に向けての取り組みや、ボトロップ市での先進的な取り組みについて意見交換を行いました。持続可能な自治体づくりに取り組んでいる両市にとっては有意義な情報共有となり、今後の連携の大きなきっかけとなりました。
3 パートナーシティ協定

こうした連携をさらに強化するため、2024年10月22日、両市はパートナーシティ協定を締結しました。協定締結式には、読谷山・延岡市長やティッシュラー・ボトロップ市長のほか、ザクシンガー・大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事などが出席しました。締結式では「(1)両市の児童生徒が国際感覚を身につけるための連携・協力、(2)両市の脱炭素社会の実現やSDGs推進のための連携・協力、(3)両市の柔道を中心としたスポーツ交流」の3つの柱で連携・協力する協定書を取り交わしました。両市は今後、今回の協定締結により両市の交流をさらに深化し、両市での各種取り組みを推進していきます。
(注)パートナーシティ協定とは、特定の分野における交流を行うために結ぶ協定です。