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パラリンピアンとの交流を通じて育まれる三鷹市とチリの友好関係
在チリ日本国大使館

「国立天文台があるまち」三鷹市とチリ共和国の友好関係は、もともとは天文学がきっかけで始まりました。
天体観測に適した気候環境を誇るチリでは、世界の天文観測の約50%が行われており、日本を含む世界22の国と地域が協力して運用している世界最大級の天体望遠鏡「アルマ望遠鏡」もチリ北部に位置します。
そして三鷹市には、アルマ望遠鏡の建設時から協力してきた「国立天文台」があるほか、アルマ望遠鏡からほど近い丘の上には、「世界一標高の高い天文台」としてギネス世界記録に認定されている世界最大級の赤外線天体望遠鏡(東京大学アタカマ天文台)があり、同望遠鏡を設置した東京大学大学院天文学教育研究センターも三鷹市にあります。
こうした天文学を通じたご縁から、三鷹市は2020年3月、東京2020大会に向けた事前キャンプに関する協定をチリのパラリンピック委員会と締結し、東京2020大会におけるチリのホストタウンとして登録されました。
これを踏まえ、2021年の東京2020オリンピック・パラリンピックにおいて、パラリンピックのチリ代表選手団10人(卓球選手4人、アーチェリー選手1人、スタッフ5人)が三鷹市で事前キャンプを行いました。パンデミックの影響で直接の交流は叶いませんでしたが、三鷹市の児童・生徒達がチリ選手へ絵手紙を送ったり、オンライン交流会が行われたり、三鷹市とチリの交流が進展しました。
そして2024年。パリ・パラリンピックの機会に、三鷹市のイニシアティブにより、同市の小・中学校4校の児童・生徒がチリのパラリンピアンへ応援メッセージを込めた絵手紙を作成してくれました。これら307通の手紙は、三鷹市から在京チリ大使館へ届けられ、チリ外務省を通じて、8月6日、チリのパラリンピック選手に届けられました。


チリまで届けられた手紙のほとんどはスペイン語で書かれており、3年前の2021年に三鷹市で事前合宿を行った選手に宛てられていたり、カラフルなイラストで彩られたりしていました。これらの手紙を受け取ったチリのパラ選手とチリ・パラリンピック協会事務局の関係者は、「メッセージのやり取りや応援がソーシャル・ネットワークやメール等デジタル化している現代において、たくさんのイラストが施された手書きのスペイン語応援メッセージは、心がこもっていてとても価値のあるもの。」「子供達の応援の気持ちが海を越え、三鷹からチリに届いた。」と述べ、手紙の受領を喜びました。
そしてパリ・パラリンピック後には、パラリンピック卓球とアーチェリーの選手から感謝のビデオ・メッセージが送られました。
三鷹市とチリのホストタウン交流は、オリンピック・パラリンピックに留まりません。
三鷹市では、チリの独立記念日のある9月に、市内の小・中学校の給食でチリ料理が提供されるほか、チリ大使館主催の国祭日レセプションでは、にしみたか学園三鷹市立第二中学校の合唱部がチリ国歌を斉唱します。また、三鷹国際交流フェスティバルでは、在京チリ大使館が紹介したグループがチリの伝統ダンスを披露したり、三鷹市民駅伝大会にチリ大使館チームが参加するなど、レガシー事業として交流が深められています。
三鷹市役所関係者からも、チリは地球の反対側にある遠い国でありながらも、こうして交流を継続することでチリに親近感や友好の感情を持ち、児童・生徒達を含む市民の皆さんの国際意識・理解の促進につながるとの意見が聞かれており、今後ますますの交流が期待されています。
手紙を送ってくださった三鷹の森学園三鷹市立第五小学校(159通)、連雀学園三鷹市立第六小学校(43通)、鷹南学園三鷹市立中原小学校(82通)、にしみたか学園三鷹市立第二中学校(23通)の皆さま、ありがとうございました。
当館としても、日チリ二国間関係の強化や地方連携の強化に積極的に取り組んでまいります。