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令和6年10月9日

駐ポルトガル日本国特命全権大使 太田 誠

1 戦国時代からの歴史的交流

姉妹都市提携45周年記念式典の様子

 駐ポルトガル日本国特命全権大使の太田誠です。
 480年を超える交流史を有する日本とポルトガルとの間には、現在7組の姉妹都市と1組の国際友好都市があり、今日も活発な都市間交流が行われています。
 その姉妹都市の一つに、大分県大分市と、ポルトガル中部に位置するアベイロ市の姉妹都市提携があります。大分市は、大友宗麟の時代からポルトガルとの交流の歴史を有しており、市の木であるホルトノキもポルトガル人により移植されたと言われています。
 大分市には、1977年に大分日本ポルトガル協会が設立され、その際にアベイロ市との姉妹都市提携の話が持ち上がったとのことです。アベイロ市は、海岸に面した都市で、街を運河が走っている美しい町並みは、ポルトガルのベニスとも呼ばれています。両市との間には地理上、また観光や商業にも共通点が多く、1978年10月、姉妹都市提携が成立しました。その後、長年にわたって文化、芸術、スポーツなど幅広い分野で交流が行われてきました。
 両市は2023年に姉妹都市提携45周年を迎え、本年、アベイロ市からの招待を受けて大分市親善訪問団が同市を訪問し、7月17日に姉妹都市提携45周年記念式典が行われました。同市の訪問に当たっては、大使館もお手伝いをし、この記念すべき式典に私も同席いたしました。

2 大分市親善訪問団によるアベイロ市訪問

大分シンフォニック・ウインド・オーケストラの演奏

 本2024年、アベイロ市は「ポルトガル文化都市」に選出されています。大分市がアベイロ市を訪問した7月には、アベイロ市全体を会場とした音楽祭も開催されていたことから、同訪問団のメンバーで、2007年にもポルトガルで演奏の経験がある、大分シンフォニック・ウインド・オーケストラのメンバーもこの音楽祭に出演されました。
 私も、大使として、清水久子大分市副市長とジョゼ・リバウ・エステヴェス・アベイロ市長との間の意見交換の場、また姉妹都市提携45周年記念式典に出席させていただきました。清水副市長とエステヴェス市長との間の意見交換において、両市の本姉妹都市連携は、非常に活動的かつ創造的な関係を築いてきており、模範的姉妹都市交流であるとの自負をお持ちとの言葉を拝聴し、大使館としても45年間の交流を活発に行っている両市のお手伝いが出来ることを非常に嬉しく思いました。
 また、大分シンフォニック・ウインド・オーケストラの演奏会にも出席させていただきました。会場となった美しい市内教会では、開場前から市民が列をつくり、場内は多くの立ち見客も出るほどの盛況ぶりでした。美しい教会内での日本と西洋音楽の演奏にアベイロ市民が聞き入る姿を拝見し、両市がこれまで築いてきた市民の交流、文化交流の確かな存在を肌で感じることができました。

ショッピングモールOITA

 余談ですが、今回の訪問で、アベイロ市には「OITA」という名のショッピングモールがあることを知りました。姉妹都市提携後すぐ、1980年代に建てられ、40年以上の歴史を誇る老舗ショッピングモールとのことでした。大分市とアベイロ市との歴史的なつながりは、市内随所に根付いています。

3 結び

 今回、大分市の皆様のアベイロ市訪問をお手伝いし、また、記念式典や関連行事に同席することを通じて、両市の姉妹都市交流に対する熱心な姿勢を改めて感じました。また市民レベルで大分が親しまれていることも知り、両市の今後の交流に多くの可能性があることを実感しました。大使館として、両市の今後の一層の交流促進に向けて、支援していきたいと考えています。

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