グローカル外交ネット

令和6年1月16日

在タイ日本国大使館

 2023年11月14日、在タイ日本国大使館は「沖縄泡盛・オリオンビール・観光PRイベント」を大使公邸にて開催しました。タイにおいては、日本食人気もあり日本酒類がかなり普及しているものの、泡盛については流通銘柄が少なく、知名度向上と輸出拡大の余地があります。また、タイ人インフルエンサーが沖縄に関する投稿を行うなど、沖縄への関心を示すタイ人や沖縄を訪問するタイ人が増えてきていることから、沖縄観光の魅力も合わせてPRしながら、泡盛やオリオンビールといった沖縄の酒類をタイでPRするというのが狙いです。イベントには、酒類輸入・卸売業者、食品輸入事業者、小売店、飲食店、航空・旅行事業者、メディアやインフルエンサー等100名以上の方が参加されました。

1 イベントの様子

泡盛ジンブナー遠山氏によるレクチャー

 まず第一部として、泡盛ジンブナー(知恵を以って泡盛の魅力を世界に広める人)である遠山光一郎氏より、泡盛の歴史やおいしい飲み方、タイ人にとって飲みやすい泡盛の飲み方の提案等をレクチャーしていただきました。泡盛は、約600年前に古代アユタヤ王朝から琉球王国へ伝えられたという有力説があり、現在もタイ米から泡盛が作られているという説明については、参加した多くのタイ人が初耳であるという反応でした。また、特に若いタイ人に好まれる飲み方の提案として、泡盛のソーダ割りやシークヮーサー割りの紹介があったところ、さっそく試飲するタイ人が見受けられました。

沖縄観光トークセッション

 続く第二部として、沖縄県シンガポール事務所による沖縄観光の魅力を伝えるトークセッションを行いました。実際に沖縄へ行き、映える写真や動画をSNSに投稿していたタイ人へのインタビューが行われ、「日本だけど日本らしくない文化がある県」としてタイ人にも人気があることが紹介されました。また、同事務所によるクイズセッションでは、多くの参加者が沖縄の挨拶「ハイサイ」、「ハイタイ」と叫ぶなど、盛り上がりを見せました。さらに、「沖縄にはどのように行ったらよいのか」、「直行便が復活してほしい」といった声も聞かれました。

試飲を楽しむ参加者

 最後に、三線奏者の藤本真希さんによる三線生演奏が行われました。「涙そうそう」、「泡盛祝唄」といった沖縄おなじみの曲に加え、「花」をタイ語バーションで歌っていただき、皆で聴き入る素敵な時間となりました。その後はカチャーシーと呼ばれる沖縄の踊りを、アップテンポの音楽とともに、皆で楽しく踊りました。

 イベントでは、泡盛の試飲コーナーも設け、様々な種類の泡盛を参加者に楽しんでいただきました。「おいしい」、「飲みやすい」という声が多く聞かれ、また女性を中心にシークヮーサーや泡盛ゆずリキュールが大人気で、タイでの泡盛普及のためのヒントを得ることができました。さらに、バンコクで出店されている沖縄料理のお店より、様々な沖縄料理をふるまっていただきました。

2 タイと泡盛の深いつながり

 先述のとおり、泡盛の歴史は、約600年前に古代アユタヤ王朝から琉球王国への交易で伝来したことに始まるといわれています。タイではタイ米を用いた蒸留酒(ラオ・ローン)がありますが、泡盛も原料はタイ米で、よく似た製法で作られます。この沖縄とタイのつながりの歴史について知らない日本人も多いのではないでしょうか。
 沖縄でタイ米を使用してお酒を製造していることを知ったタイ人の皆さんに、泡盛に対する親近感を抱いてもらえたのではないかと思っています。

3 イベント開催を終えて

本イベントは、沖縄県や沖縄にゆかりのある方々からのご協力をいただいたおかげもあり、沖縄にいるのではないかと錯覚するほど、大盛況に終わりました。また、泡盛と合わせて沖縄観光のPRを行ったことで、「タイで泡盛を飲みたい」と思うタイ人だけではなく、「沖縄へ行って泡盛やオリオンビールを飲みたい」というタイ人も増やすことができたのではないかと思います。

 今後とも当館では様々な機会を活用し、地方の魅力発信を積極的に行い、日本とタイの交流をより一層深めていきます。

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