グローカル外交ネット
外務省での勤務を通じて
令和元年5月10日
外交実務研修員 土井 麻里子
(神奈川県から派遣)
(神奈川県から派遣)
1 はじめに
私は,平成30年4月から,外交実務研修員として外務省に勤務しております。外務省に出向する直前は,各都道府県に策定が義務づけされている医療計画の改定を担当しました。当時は,医療・介護診療報酬改定と医療・介護保険事業計画改定が重なる30年に1度の注目の年であり,厚生労働省や医療・介護関係者との調整が大変だったことを覚えています。それまで国際的な業務に携わる機会はありませんでしたが,これまで経験させていただいた業務と感じたことについて,簡単にご紹介します。
2 女性参画推進室における業務
女性参画推進室は,平成26年に外交政策に広くジェンダーの視点を反映させることを目的に新設された部署で,この4月で丸5年となります。具体的には,ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに取り組む国連女性機関(United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women),国連女性の地位委員会,女性・平和・安全保障1325号に基づく国別行動計画等を所管している他,政府主催の国際女性会議WAW!の事務局機能を担当しています。
その中で私は,ジェンダー平等や女性の社会参画を促進するために啓発・調整・規範作りの活動を行う国連女性機関との調整業務の他,女性活躍推進に関する省内外の調整や国際女性会議WAW!の実施に携わらせていただきました。
その中で私は,ジェンダー平等や女性の社会参画を促進するために啓発・調整・規範作りの活動を行う国連女性機関との調整業務の他,女性活躍推進に関する省内外の調整や国際女性会議WAW!の実施に携わらせていただきました。
3 第5回国際女性会議WAW!/W20


国際女性会議WAW!とは,World Assembly for Womenの略称で,「ワウ!」と呼ばれています。「女性が輝く社会」を国内外で実現するため,安倍総理大臣のイニシアティブで平成26年に初めて開催されました。第5回WAW!は,G20のエンゲージメント・グループの一つであり,女性のエンパワーメントが新たな世界経済の成長をもたらすというビジョンのもと,23億人の女性を代表しG20に提言を行うW20(Women20)と同時に開催されました。その中で,私は,プレスチームの一員として,当日報道関係者が取材をしやすい環境を整えるため,取材協力やプレスロジを担当させていただきました。
具体的には,本体会合や並行して行われる行事のプレスの立ち位置や必要機材の確認,プレスの事前登録をして当日受付がスムーズに進むよう調整しました。特に今回は,W20と合同開催したことから,政府単独開催とは違う配慮が必要な場面もあり,その都度よりよい方法について協議し,対応しました。
なるべく多くの報道関係者に取材いただき,記事として取り上げてもらいたいと思う一方で,当日は,ノーベル・平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんの講演を聴きに多くの人から参加申し込みがあったため,会場の安全を保つためにやむを得ず代表取材とする時間帯もありました。2日間はあっという間でしたが,「WAW! for Diversity」というグランドテーマのとおり,「誰一人取り残さない」持続可能で包摂性と多様性のある社会の実現に向け,参加者が真剣に議論する様子を目の当たりにすることができました。
今回のWAW!を通じて,女性はネットワーク構築などお互いに助け合うようなつながる力を持っていると感じました。当初,私は,途上国の女性が直面する課題と日本の女性が直面する課題は異なると思っていましたが,たとえば組織の意思決定ができるポジションに女性が参画する重要性や経済的エンパワーメントなど共通する課題もあるということを体感することができました。また,かけ声だけではなく環境整備を並行して進めることの大切さを実感したところです。
女性参画推進室は,平時は7名と小さな部署ですが,WAW!準備事務局立ち上げ後,どんどん応援職員の方が増え,直前期には50名以上になりました。多くの方が普段は異なる部署で働き,このときだけ応援に来てくださるのですが,一瞬で同じ目的を共有した外交チームの一員となり業務に当たるその適応力に驚かされると同時に,大変多くのことを学ばせて頂きました。
具体的には,本体会合や並行して行われる行事のプレスの立ち位置や必要機材の確認,プレスの事前登録をして当日受付がスムーズに進むよう調整しました。特に今回は,W20と合同開催したことから,政府単独開催とは違う配慮が必要な場面もあり,その都度よりよい方法について協議し,対応しました。
なるべく多くの報道関係者に取材いただき,記事として取り上げてもらいたいと思う一方で,当日は,ノーベル・平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんの講演を聴きに多くの人から参加申し込みがあったため,会場の安全を保つためにやむを得ず代表取材とする時間帯もありました。2日間はあっという間でしたが,「WAW! for Diversity」というグランドテーマのとおり,「誰一人取り残さない」持続可能で包摂性と多様性のある社会の実現に向け,参加者が真剣に議論する様子を目の当たりにすることができました。
今回のWAW!を通じて,女性はネットワーク構築などお互いに助け合うようなつながる力を持っていると感じました。当初,私は,途上国の女性が直面する課題と日本の女性が直面する課題は異なると思っていましたが,たとえば組織の意思決定ができるポジションに女性が参画する重要性や経済的エンパワーメントなど共通する課題もあるということを体感することができました。また,かけ声だけではなく環境整備を並行して進めることの大切さを実感したところです。
女性参画推進室は,平時は7名と小さな部署ですが,WAW!準備事務局立ち上げ後,どんどん応援職員の方が増え,直前期には50名以上になりました。多くの方が普段は異なる部署で働き,このときだけ応援に来てくださるのですが,一瞬で同じ目的を共有した外交チームの一員となり業務に当たるその適応力に驚かされると同時に,大変多くのことを学ばせて頂きました。
4 終わりに
多くのステークホルダーの利害関係を整理し,調整することが行政の役割とこれまでの業務を通じて学んできましたが,ここではそれに加え,「最後にみんながハッピーになるにはどうしたらよいか」という視点を忘れずに,業務に当たることの大切さを教えていただきました。ジェンダー学が何かということすら知らずに飛び込んだ世界でここまで務めてこられたのも,室の皆様を始め,外務省員の皆様の温かいご支援のおかげだと心から感じています。
2019年は,G20大阪サミットやTICAD7,即位の礼など大型外交行事が控えています。今年でなければ経験できない機会を大切にしながら,引き続き業務に取り組んでいきたいと思います。
2019年は,G20大阪サミットやTICAD7,即位の礼など大型外交行事が控えています。今年でなければ経験できない機会を大切にしながら,引き続き業務に取り組んでいきたいと思います。