グローカル外交ネット

令和2年12月17日

福島県猪苗代町

1 はじめに

 猪苗代町がガーナ共和国とのホストタウン登録に至った経緯は、細菌学者野口英世博士の生誕の地であり、ガーナ共和国は野口英世博士が終焉を迎えた地であったことやこれまでも交流事業があったことから、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウン登録の申請を行い、平成28年(2016年)1月に登録されました。
 また、令和2年(2020年)4月には、共生社会ホストタウンに登録されたところです。
 これまで、平成5年(1993年)にローリングス大統領夫妻、平成14年(2002年)にクフォー大統領夫妻、平成30年(2018年)にはアクフォ=アド大統領、駐日ガーナ大使館関係者などの要人が野口英世博士の功績をしのび来町しています。

2 これまでのガーナ共和国との交流

 交流事業としては、「ガーナよさこい支援会」の協力により平成19年度(2007年度)から3年に1度、ガーナ共和国の高校生約20名が当町にホームステイを行い、地元高校生や国際交流協会員との交流が現在も続いております。
 ホストタウン登録後は、平成28年(2016年)にはリオデジャネイロ大会に出場するガーナ選手団へ町内小中学生が応援幕を作成し駐日ガーナ大使館を通じて選手へ渡していただきました。
 平成29年(2017年)には町主催の町民大運動会にホームステイで当町を訪れていたガーナの高校生と北京オリンピック男子400mリレーに出場し銀メダルを獲得した髙平慎士氏(2017年から2019年3年連続で招へい)を交えて町民と一緒に参加していただき交流を図ってきました。
 また、平成31年(2019年)には、フランク・オチェレ駐日ガーナ大使のほか、大使館関係者や日本在住のガーナの方々を「いなわしろ花火大会」に招待し、町民との交流を図り参加した方々には「ホストタウン交流大使」を任命し、ガーナの選手が当町で行う予定の事前合宿や事後交流等において積極的な情報発信等をお願いしています。

3 「花アート ホストタウン猪苗代」の制作

花アート ホストタウン猪苗代の写真 磐梯山、猪苗代湖をデザインした
「花アート ホストタウン猪苗代」

 そして今年、ホストタウン事業や聖火リレーの盛り上げなど機運醸成を図ることや、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会以降もガーナ共和国との交流の象徴になるよう形の残るものにしたいとの考えもあり、NPO法人猪苗代研究所との協働で計画したものが「花アート ホストタウン猪苗代」の制作です。

制作に取り組む児童たちの様子 「花アート ホストタウン猪苗代」制作に取り組む児童

 当町出身の写真家野口勝宏氏が撮影した「福島の花」の素材をプリントしたシールを町内の約1200名の小中高校生並びに支援学校等の児童・生徒・先生方に参加いただき、8月から各学校を訪問し、日本百名山の1つ「磐梯山」と日本で4番目の面積である「猪苗代湖」をデザインした縦2メートル・横4メートルのシートに個々の好きな花のシールを1枚選び貼りつけて作品を制作しました。

 制作現場では、NPO法人猪苗代研究所の方々や地域おこし協力隊の小林さん、町職員の根津主事から「なぜこの花アート制作を行うのか?」「ガーナ共和国とのホストタウンで何を皆さんにしてもらいたいか?」「聖火リレーがなぜ行われるのか?」などに理解を示してもらえるよう意識しながら質問形式で児童・生徒とコミュニケーションを図りながら制作することができました。
 また、各小中学校に「応援メッセージBOX」を設置し、ガーナ代表選手に、向けた応援メッセージを児童・生徒に記入してもらい事前合宿で来町する選手に直接手渡しができればと考えております。

4 共生社会ホストタウン事業の取り組み

応援メッセージを送る様子 ホストタウン相手国ガーナへの応援メッセージ

 併せて、共生社会ホストタウン事業の取り組みでは、ガーナ代表選手に向けた応援メッセージ動画撮影を行いました。各学校で工夫を凝らした演出を考えていただき特に緑小学校では「太鼓の演奏」の披露を含めた応援メッセージ、県支援学校では小学部、中等部、高等部が一緒になりガーナ国歌に合わせての演奏や手作りの応援メッセージボードを使って動画を撮影することができました。これまでの取り組み(花アート制作やホストタウン交流)を記載したチラシを町民に全戸配布し、町の機運醸成を図っていければと思っております。
 年明けには、ガーナ共和国パラリンピック委員会等の関係者が当町を訪問する予定ですが、まずは新型コロナが落ち着くことを望んでいるところです。
 また、今後無事に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることを期待しております。

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