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令和2年11月17日

宮崎県オールみやざき営業課

1 はじめに

 1949年にブラジル宮崎県人会が設立されてから、令和元年に70周年を迎えました。宮崎県では「ふるさと宮崎」を遠く離れても、宮崎を想い、ブラジルとの架け橋としてご尽力くださるブラジル宮崎県人会との絆を大切にし、絶え間なく交流を続けてきました。今回はその交流内容について紹介します。

2 ブラジル宮崎県人会について

 ブラジル宮崎県人会は、その前進である在伯宮崎県人会として、1949年9月に設立されました。当初の目的は「県人で気楽に集まり、宮崎弁で語り合おう」というもので、現在では、本県出身者とその家族を含め、約300名が会員となっています。主な活動として、会員交流事業の実施や高齢者等に対する救護支援、ブラジル宮崎県人会会報の発行を行っています。

3 若い世代の人的交流について

(写真1)宮崎県農業青年ブラジル国派遣研修事業35回記念式典 宮崎県農業青年ブラジル国派遣研修事業35回記念式典

(1)県費留学生

 本県では、昭和41年度から県費留学生としてブラジルに在住している宮崎県出身者の子弟を受け入れています。これまで、大学や高等専門学校にも協力をいただきながら89名の県費留学生を受入れ、宮崎県での勉学の機会を提供し、本県との文化的交流及び親善を図ってきました。県費留学生たちは、約1年間、宮崎で過ごし、勉強だけでなく、地域の行事に参加し、県民と積極的に交流することで、宮崎の文化や伝統に親しみ、帰国後もより一層、自身のルーツに愛着をもち、これからの県人会を支える人材として活躍してくれています。

(2)農業青年ブラジル国派遣研修事業及び農業青年国際交流受入研修事業

 本県では、昭和57年度から県内の農業青年のブラジルへの派遣事業、平成8年度からは本県出身者を親族に持つブラジルの農業青年の受入事業を開始し、令和元年度までに延べ60名の派遣、43名の受入れを行っています。
 派遣された農業青年は帰国後、派遣OB会「南十字星の会」へ参会し、今度はブラジルからの農業青年を自身の農場で受け入れるというサイクルを作ることで、長く安定的な両国の農業青年の相互交流を実現しています。
 本事業を通して、幅広い視野を持った国際感覚豊かな農業青年の育成を図ることは、本県の農業の更なる発展につながっています。

4 ブラジル宮崎県人会70周年関連行事

(写真2)ブラジル宮崎県人会70周年記念式典 ブラジル宮崎県人会70周年記念式典
(写真3)ジャパンハウスサンパウロ「みやざきの夕べ」 ジャパンハウスサンパウロ「みやざきの夕べ」

 令和元年8月にサンパウロ市で行われた70周年記念式典では、サンパウロ市及びブラジル宮崎県人会から宮崎県関係者に対し、ブラジルにおける日系人への支援に対する感謝と賞状等の伝達が行われました。また、宮崎県からはブラジル宮崎県人会の功労者等に対して、ブラジルと宮崎県の友好親善への貢献・功績等をたたえ表彰を行いました。
 70周年記念行事の一環として、ジャパンハウスサンパウロで開催された「みやざきの夕べ」では、宮崎県の観光の魅力や郷土料理(宮崎牛、鶏の炭火焼き、チキン南蛮、冷や汁等)を用いたPR活動を行いました。現地の出席者からは、現地レストランのメニューに加えたいなどの声が多く聞かれました。今回の70周年一連の行事を通し、ブラジルと宮崎県の理解が一層深まりました。

5 コロナ禍での交流について

 このようにブラジル宮崎県人会を通じて、宮崎県とブラジルの交流を行っていましたが、今年ブラジルは新型コロナウイルス感染症の深刻な影響を受けました。この状況を鑑み、知事より応援メッセージを送付し、ブラジル宮崎県人会からも御礼の手紙をいただきました。今後、宮崎県とブラジルとの往来が一刻も早く叶うことを祈りながら、引き続き交流を深めていきます。

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