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令和元年10月16日

在チェンナイ日本国総領事館

 今般,インド共和国チェンナイ市より,日本の都市との姉妹都市提携を希望する旨の要望がありました。
 以下チェンナイ市の概要を紹介いたします。

1 チェンナイ市の概要

(画像)インド地図
  • (1)基礎データ
    • 所在地:北緯13度4分,東経80度17分
    • 面積:175平方キロメートル(2011年)
    • 人口:465万人(2011年)
    • 日本との時差:-3時間30分
    • 公式観光ウェブサイト:TTDC - Places別ウィンドウで開く
  • (2)チェンナイ市は,ベンガル湾に面した南インドの中心都市の一つで,デリー,ムンバイ,コルカタと並びインド有数の都市として古くから栄えてきました。北インドとは異なる要素を持つドラヴィダ文化の中心地の一つであり,南インドの観光やビジネスの主要な拠点ともなっています。

2 チェンナイ市の歴史

(写真1)チェンナイ市の様子1
(写真2)チェンナイ市の様子2
  • (1)古くは,地中海や中近東,東南アジア,中国を結ぶ交易路の拠点であったチェンナイが,本格的な都市としての発展をはじめるのは,イギリス人が進出しはじめる17世紀になってからのことです。この地はかつて,1996年まではマドラスと呼ばれ,イギリス植民地政府にとってのインド南部統治の重要な拠点として発展してきました。
  • (2)1947年にインドが独立を果たすと,南インド最大の州マドラス州の州都となり,その後,再編されたタミル・ナドゥ州の州都となり,1996年に現地語の呼び名であるチェンナイに都市名が変わりました。
  • (3)現在は,多くの工場やビジネスオフィスを抱える大都市であるとともに,南インド文化の中心地としてドラヴィダ様式のヒンドゥー教寺院なども数多く,多彩な顔を持つ都市として栄えています。

3 チェンナイ市の特徴

  • (1)周辺に日産やヤマハ,現代自動車などの工場を抱えるインド最大級の自動車産業の中心地であり,「インドのデトロイト」とも呼ばれている他,近年製造業を中心に多くの日系企業が進出しており,2018年10月時点でチェンナイ市が所在するタミルナド州内の日系企業数は620拠点に達しています。
  • (2)古くからの国際的貿易港であるチェンナイ港やエンノール港といった良港を有し,東南アジア,日本,中国等へのゲートウェイとして,更なる経済発展が期待されています。
  • (3)南インド特有のドラヴィダ文化の影響を色濃く残す都市でもあり,インドでも最古級の大学,マドラス大学をはじめ,多くの大学が集まる学術都市でもあり,また,伝統舞踊バーラタナーティヤムや古典音楽,映画の盛んな文化都市でもあります。
  • (4)日系企業の増加とともに日本人居住者の数は年を追って増加しており,2018年現在のタミルナド州在留邦人数は902人,そのうちの9割以上がチェンナイ市に居住しており,インドの中でも外国人の居住が多い国際都市となっています。
  • (5)2019年10月下旬より日本(成田)からの直行便が就航予定で,今後,ビジネスや観光を目的とした人の往来の増加が見込まれています。

4 日本との関係

  • (1)『ムトゥ 踊るマハラジャ』や『ロボット』のヒットで日本でも知られているラジニ=カーントはタミル語映画の人気スターで当市在住です。
  • (2) 唐桟(とうざん)とも呼ばれる,桟留(サントメ)縞の綿布は,元は当地周辺の地域で作られていたものです。サントメとは当市内の地名に基づいています。後に日本に伝わり,模したデザインのものが京都や川越,千葉館山,結城など各地で作られるようになりました。
  • (3)奈良東大寺建立の際,開眼導師をつとめたボディ・センナ(菩提僊那) や中国禅宗の開祖として知られるダルマ太子(菩提達磨)は現在のタミル・ナドゥ州出身と伝わっています。

5 チェンナイ市と姉妹都市提携を結んでいる海外の都市

  • ボルゴグラード(旧名スターリングラード),ロシア(1966年~)(広島市の姉妹都市)
  • デンバー,米(1984年~) (高山市の姉妹都市)
  • サンアントニオ,米(2008年~)(熊本市の姉妹都市)
  • クアラルンプル,マレーシア(2010年~)(大阪市の姉妹都市)
  • 重慶,中国(2015年~)
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