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令和元年10月16日

在ハバロフスク日本国総領事館

 ロシア連邦アムール州は,日本の自治体との姉妹都市提携を希望しているところ,以下,アムール州の概要を紹介いたします。

  • (画像)アムール州紋章等

1 アムール州概要

  • (1)面積:36,1913平方キロメートル
  • (2)人口:798,400人(2018年1月時点)
  • (3)州都:ブラゴヴェシェンスク市
  • (4)主要都市:ブラゴヴェシェンスク市(22.5万人),ベロゴルスク市(6.6万),スヴォボドヌィ市(5.4万人),ティンダ市(3.3万人),ゼヤ市(2.3万)(2018年1月時点)
  • (5)民族構成:ロシア人:94.3%,ウクライナ人:2.0%,ベラルーシ人:0.5%,他にアルメニア人,タタール人,アゼルバイジャン等の他,少数民族としてエヴェンキ人等が居住(2010年調査)
  • (6)時差:日本より1時間先行

2 自然環境

  • (1)地理:ロシア連邦の南東に位置し,北はスタノヴォイ山脈,南はアムール川に囲まれている。主に山岳地帯と湿地帯で構成され,植生はタイガ原生林帯と広葉樹林帯で覆われる。また,州内には2万9千もの河川が流れている。アムール川を境に中国黒竜江省と国境を接するほか,北にサハ共和国,東にハバロフスク地方,南にユダヤ人自治州,西にザバイカル地方が位置する。
  • (2)自然:州内には4つの自然保護公園があり,特に,世界的に重要な水鳥の生息地の保全を規定するラムサール条約に登録されているヒンガノ・アルハリンスカヤ低地が存在するヒンガンスキー自然保護公園が有名である。また,丹頂の営巣地でもあるクレシンスコエ湖や蓮の群生地であるツヴェトチノエ湖(7月後半~8月頃開花)をはじめ,無数の湖沼が存在する。州内には手付かずの自然が多く残っており,非常に豊かな動植物相となっている。
  • (3)気候:州都のブラゴヴェシェンスク市では,夏の気温は18度~32度,冬は-15度~-30度と,年間温度差が60度を超える。

3 歴史

  • (1)17世紀前半,ロシア人探検家が現アムール州周辺の開拓を始める。1856年にブラゴヴェシェンスク市(現在の州都)が要塞都市として建設され,1858年のアイグン条約と1860年の北京条約によりアムール川北部が正式にロシア領土となり,皇帝の勅令によりアムール州が創設され,欧露部からコサックや農民(多くは分離派旧教徒)が移住してきた。その後,周辺の共和国や地方への併合等が続き,1948年にハバロフスク地方から分離し,現在のアムール州の形になった。
  • (2)第二次世界大戦中は,対岸の旧満州に関東軍が駐留していたため,終戦と共に多くの日本人兵がアムール州へ連行され,強制労働を強いられた。州内にはシベリア抑留者の埋葬地が点在し,日本の厚生労働省や戦没者遺族会が毎年アムール州を訪れ,慰霊や遺骨収集を行っている。

4 経済

(写真1)農業の様子
(写真2)水力発電所
  • (1)主要な産業は,金・石炭・砂利採掘,林業,農業である。特に農業が盛んで,農業生産高はロシア極東地域の全生産高の3割を占め,その中でも大豆生産高は全ロシア最大の120万トン(全体の4割)を誇る。
  • (2)河川が多いため水力発電事業が盛んで,州内にはブレヤ水力発電所及びゼヤ水力発電所があるほか,新たにニジニ・ブレヤ水力発電所が建設された。また,スコヴォロジノ市を起点に東シベリア・太平洋石油パイプライン(VSTO)の支線がアムール川対岸の中国へ伸びている。現在はガスパイプライン「シベリアの力」及び大規模なガス精製所の建設が進行中である。
  • (3)州内には宇宙基地「ヴォストーチヌィ」があり,2016年4月に最初のロケットが打ち上げられた。
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