グローカル外交ネット

令和4年9月27日

在ウガンダ日本国大使館

1 はじめに

(写真1)日本大使公邸にて意見交換会の様子 姉妹都市交流に関する講演の様子

 令和4年(2022年)7月6日、当館は日本大使公邸において、ウガンダの国会議員に向けて日本との姉妹都市交流活動を紹介する意見交換会を開催しました。
 本意見交換会では、ウガンダで唯一、日本の地方自治体と姉妹都市を提携しているグル市の活動について、グル市選出のチャールズ・オネン議員から具体的な事例やグッドプラクティスを交えて講演をしていただきました。

2 グル市と大阪府泉佐野市の姉妹都市交流

(写真2)食事の様子 グル市と姉妹都市関係にある大阪府泉佐野市にちなみ大阪名物のたこ焼きも提供

 ウガンダ北部の中核都市であるグル市と大阪府泉佐野市が姉妹都市提携を行ったのは2017年のことです。泉佐野市に拠点を置くタオル製造会社が、ウガンダ産綿花を製品化し、グル市の綿花農家と交流が生まれたことがきっかけとなりました。2016年4月には、グル市長を団長とする代表団が泉佐野市を訪問し、2017年7月には泉佐野市の代表団がグル市を訪れ、姉妹都市提携の正式調印が行われました。オネン議員からは、泉佐野市訪問団のグル市への来訪のエピソードや、グル市から泉佐野市への職員の派遣などの人的交流、及び泉佐野市からの救急車寄贈の取組などが紹介されました。

3 開催のきっかけ

 本意見交換会は、もともと昨年9月16日にグル市市長とグル市選出国会議員の5人が当館に表敬訪問に来られたことに端を発しています。表敬訪問では、泉佐野市とのそれまでの姉妹都市交流を踏まえた日本との関わりへの感謝と、スポーツや青少年交流を視野に入れた国際交流事業の構想がグル市側より語られました。また、この日、同席したオネン議員からは、日本への感謝を国会議員として形にして表したい、という決意が述べられ、同年12月15日にはウガンダ国会において同議員を発起人の一人として日本に対する感謝の顕彰決議が行われました。ウガンダ議会が外国政府を顕彰するのは初めてという異例の出来事でしたが、顕彰決議には38人の国会議員が自らの日本との経済協力の経験を議場で述べつつ積極的に決議を後押しされました。今回の意見交換会は、この日本との連携に積極的な38人の議員のみなさんをお招きし、グル市に続き、日本の自治体とのつながりや国際交流事業に関心を持ってもらおうと開催したものなのです。

4 今回の成果

 意見交換会では、在京ウガンダ大使を務め、旭日重光章を受章したジェームズ・ババ議員から、ウガンダの社会的・経済的発展に日本との交流が必要である点が強調されたほか、在京大使時代に外務省のプログラムで地方視察に出かけ、田植えや稲刈り、日本酒づくりなどを通じて日本の豊かな郷土文化に触れた経験が披露されました。
 また、首相府大臣や公共事業副大臣からもスピーチにおいて日本との交流の重要さが強調されました。
 参加した議員からは、「ウガンダの若年人口は右肩上がりであり、日本の地方の自治体との交流がこのような若年層によい影響を与えるのではないかと期待する。特に日本の勤労精神に触れてほしいと思う。一足飛びに実現することが難しくても、少なくとも海外交流をするのであれば、相手は日本で考えたいと思う」「日ウガンダの国会議員同士が交流する機会を実現させ、相互に地方の交流や連携を図るべく力を尽くす道筋をつけてはどうだろうか」「日本にさまざまな郷土文化があるとは知らなかった。大変興味深い。ウガンダも地域色が強い。日本の地方それぞれの特色を知り、どのような連携が可能か知恵を絞りたい」など、活発な意見が述べられました。
 さらに、この意見交換会を機に、オネン議員を会長とする日ウガンダ議員連盟(Uganda-Japan Parliamentary Forum)が結成されました。

5 終わりに

(写真3)七夕の飾り付けの様子 日ウガンダの地方自治体交流の強化を願って短冊を笹に結わえる議員

 意見交換会は七夕の前日だったため、参加議員のみなさんには、短冊に願い事を書いてもらう文化体験もしていただきました。「私の願い事は、『来年も、このレセプションを開催し、みなさんと再びお会いすること』です」という福澤大使の願いがかなうよう、当館も今後のさらなる姉妹都市交流の発展と新たな関係の誕生を祈りつつ、姉妹都市交流のサポートを行ってまいります。

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