グローカル外交ネット

令和4年7月21日

青森県つがる市経済部東京事務所
次長 佐藤 貴行

1 はじめに

 青森県つがる市を「知ってもらいたい」、そして徐々に「興味をもってもらい」「好きになってもらい」「遊びに来ていただき」「住みたいと思ってもらいたい」という流れをつくるため、本市と首都圏の方々を繋ぐ拠点として、都内に、市の東京事務所とアンテナショップを併設しています。

2 「メロンの専門工房」ができるまで

(写真1)津軽市の地図とメロン畑の写真2点 津軽平野に広がるメロン畑

 アンテナショップの設置の計画策定時、アンテナショップの設置についてはだいぶ後発であることから、首都圏の大きなアンテナショップとの違いを明確にすることが重要であると考えました。
 また、今までのアンテナショップにはない、もしくはできない尖ったコンセプトを持ちながら、特産品ひとつに特化して突き詰めていく方向を模索しました。
 何かひっかかるものがないか検討したところ、「メロン」がよいのではないかということになりました。青森県は「リンゴ」というイメージになるかと思いますが、「リンゴ」で競争すると青森県内でも多くのライバルが存在します。
 ほとんどの方に知られていませんが、本市は市町村別でのメロンの産出額が茨城県鉾田市・熊本県熊本市に次ぐ全国第3位(農林水産省2020年市町村別農業産出額(推計))という国内有数の産地なのです。本市のメロンは主に、水はけがよく、糖度の高いメロンを生産しやすい砂丘地帯で生産されています。また収穫後、地元JAでは光センサーなどの技術を駆使して、メロンの糖度や熟れ具合などを測定し、様々な基準をクリアした糖度15度以上のメロンを「つがるブランドメロン」、さらに糖度17度以上のものを「つがるブランドメロンプレミアム」として出荷しています。上記のような好適な栽培条件、高いクオリティーを誇る全国有数のメロン産地でありながら、つがる市のメロンはあまり知られていません。また人口減少が進む中、メロン農家の高齢化、後継者の確保も課題になっています。
 ここに着目して、特産品のメロンをフックに市をPRしようという決意をしました。
 店舗の場所については、独自調査により「メロンが好き・興味がある20~30代女性」を主なターゲットとし、そういった方々が訪れる街として「神楽坂」を選定しました。また、肝心の店舗については、外観や1階の壁はメロンカラーのモザイクタイルを斜めに貼り、他にはないメロン専門店らしいフレッシュさ、爽やかさとスタイリッシュなイメージで構成しました。
 店舗の1階には、メロンサンドやプリンなどのテイクアウトのほか、無料のメロンフレーバーウォーター2種類を設置しています。2階のカフェは、居心地のよさを感じられる空間づくりを心掛け、また来店時にお使いいただくコースターは、つがる市産の5品種のメロンの網目を凹凸で表現することで、お客様にも喜んでいただけるよう工夫しました。
 こうして2019年7月、「味わう・香る・見る・聴く・触る」の五感すべてでメロンを体験できる場所、メロンの可能性を追求していく工房型の新しい形のアンテナショップとして「果房メロンとロマン」をオープンしました。

 おかげさまをもちまして、オープン当初より多くの方々からのご支持をいただき、テレビ・雑誌・WEB・ラジオなど多くのメディアにもご紹介をいただいております。
 ドラマや企業・組合等のイメージポスターのロケ場所としての利用についてオファーをいただくなど、当初想定していなかったよい結果も生まれています。

3 つがる市「メロン専門工房」ならではのメニュー

(写真2)「果房 メロンとロマン」のロゴと店舗の写真3点 店舗内外観
(写真3)4品の写真 メロンを贅沢に使った看板メニュー

 メロンの取扱いについては、国内有数の産地として、メロンそのものを多くの皆さまに知っていただきたいという思いから、本市産のみならず、年間を通じて北海道から沖縄まで、旬のメロンを国内から取り寄せてメニューを提供させていただいております。
 また、新メニューを四季にあわせて年4回リニューアルし、メロンと相性のよい食材をコラボさせたスイーツメニューとしてご提案させていただいています。
 7月から8月いっぱいまでは、本市産のメロンの最盛期となり、主力品のタカミを中心にメロンをふんだんに使った夏の季節に合った爽やかなスイーツをご提供いたします。そのほか夏季限定販売として、つがる市産メロンの中でも光センサー選果をとおし、糖度17度以上で形と網目がしっかりとしたプレミアムメロンを店頭及びギフト販売いたします。本市が誇る希少性が高く高品質のメロンをぜひ一度ご賞味ください。

4 アンテナショップから広がるつがる市の輪

 アンテナショップを最大限に利活用するため、定休日や営業時間外の中で店舗内を会場にして本市に縁のある方々との交流の場に活用するほか、移住や新規就農相談の窓口としての役割なども持たせています。
 地域に根差し、長くご愛顧いただけるアンテナショップ運営を目指し、近隣小学校や近所の方々とメロンを育てる活動を実施したり、農産物や特産加工品販売会などを開催し、神楽坂の街の皆さまとの交流も進めています。
 今後は、アンテナショップをきっかけに、本市へご興味頂いた方々を対象とした「食」「文化」「交流」をテーマにしたイベントを展開し、冒頭に述べた、市に「遊びに来ていただく」ステージにチャレンジできればと思います。アンテナショップ「果房メロンとロマン」スタッフ一同、心よりご来店をお待ちしております。

店舗情報

場所

 東京都新宿区神楽坂3-6-92
 東京メトロ有楽町線・南北線 飯田橋駅 B3出口から徒歩5分
 JR総武線 飯田橋駅 西口から徒歩7分
 東京メトロ東西線 神楽坂駅 1出口から徒歩7分
 都営地下鉄大江戸線 牛込神楽坂駅 A3出口から徒歩5分

営業時間

 季節による(店舗公式サイトで詳細をご確認ください)

電話番号

 03-6280-7020

公式サイト

 果房 メロンとロマン別ウィンドウで開く

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