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ウィズコロナ時代における天皇誕生日祝賀レセプションの開催(在フランス日本国大使館)
在フランス日本国大使館
令和4年3月30日、駐フランス日本大使公邸において天皇誕生日祝賀レセプションを開催しました。開催日を決めるに当たっては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う様々な規制が解除されることが見込まれた時期を選択し、実際に開催日までに屋内行事に関する人数制限等の規制は解除されました。しかし、再び感染者数が増加していたことから、フランス政府の措置にのっとりつつ、十分な感染対策を講じた上でレセプションを開催しました。
具体的には、例年よりも招待者数を大幅に減らし、来場者の同伴も無しとしました。また、入場時間を三回に分けて、一回当たりの来場者数を100名程度に制限しました。加えて、過去のレセプションでは使用していなかった二階スペースを開放し、来場者が一か所に集中して留まらないように工夫しました。食事はビュッフェを提供しない代わりに、和風のフィンガーフードと日本酒を提供して、和の雰囲気を感じていただきました。
会場内のおもてなしの雰囲気作りにもこだわりました。令和になって初めて開催した天皇誕生日祝賀レセプションであったことから、令和元年の即位礼正殿の儀と祝賀御列の儀の際の天皇皇后両陛下のお写真を会場内に掲示し、広報ビデオを上映しました。また、華道団体「いけばなインターナショナル」による生け花の作品を随所に展示し、会場内を明るく花で彩りつつ、日本の伝統文化の一つである華道を紹介しました。二階には日本大使館所蔵の20世紀の日本を代表する画家や陶芸家の作品を展示し、小さなギャラリーのようにして来場者に観ていただきました。当地で活動するピアニストや文化庁新進芸術家海外派遣制度によって音楽を学ぶ研修生を招き、サロン内でコンサートも開催しました。音楽や美術作品等でのおもてなしを通じて、レセプションのひとときを楽しんでいただきました。
そして、今回のレセプションでとりわけ花を添えたのが地方自治体の個性溢れるブース出展です。一階テラスにテントを設置し、当地の日本企業や公的機関とともに、地方自治体関係で合計三つのブースを設け、各地方の産品の紹介や観光PRをしていただきました。自治体国際化協会パリ事務所(クレア・パリ)は静岡市と福井市のPRを担い、日本茶の試飲などを実施しました。兵庫県パリ事務所は兵庫県、関西広域連合、大阪府、大阪市、同大阪城天守閣、兵庫県姫路市の紹介を合わせて行い、日本酒の試飲も実施しました。石川県金沢市は、同市に勤務した元JETプログラム参加者や留学したフランス人を国際交流特使に任命しており、彼らが日本からの渡航が難しい市職員に代わって金箔体験のデモンストレーションなどを実施しました。出展された団体には、ブルターニュ大公城と友好城郭提携を結んでいる大阪城やカンヌ市と姉妹都市の静岡市のように、すでに仏側との交流があるところもあれば、これから仏側との関係を深めていきたいというところもありましたが、多くの団体から有意義なPRの機会になったとの声をいただきました。コロナ禍となってから訪日を望みながらもまだ実現できていない来場者も、まだ訪日したことがない来場者も、日本各地の名産品を実際に目にし、味わう機会があったことで、ちょっとした日本旅行の気分を味うことができたと喜んでいらっしゃいました。各自治体、クレア・パリ事務所のご協力のおかげで、来場者の皆様に日本の地方色の豊かさを知っていただくことができました。
感染対策の観点から講じた様々な取組は、結果的には新たなスタイルのレセプションを作り上げることになりました。開催日を3月末としたことで、期せずして公邸の庭の桜の開花時期と重なり、日本の春に相応しいレセプションとなりました。来年はコロナウイルスによる感染を心配せずに、より多くの皆様にもご来場いただけることを願っています。